◆「じゃあ誰がやる?」上司が飲み込んだ言葉

「一番驚いたのは週終わりの金曜に、新入社員が会社支給の携帯をロッカーに置いて帰ろうとしているのを見たとき。会社や顧客から急な連絡が入ってきた場合に備えて持たせているというのに……。これが令和入社の若手社員かと思いました」
PR会社で管理部門の責任者を務める岡本政勝さん(仮名・50代前半)は苦笑いする。毎週月曜日に経営会議があるため、資料の準備が終わらない場合は、日曜の夜に準備をしたり、社内のチャットツールで部下とやり取りを行ったりすることも多い。
「業務時間外であれ、部下に困り事があれば連絡を受けるのは、管理職としての責任の範囲内と思っています。ただ今のご時世、若手に同じ感覚は求められない。必要な業務連絡は極力、平日でやり切っていかないといけないとも感じています」
◆イルカを横目にトラブル処理も今は昔……働きすぎは「人として欠陥」
自分自身は土日も当然のように働いていたが、同じことが若い社員から敬遠されるという嘆きは、他の管理職からも聞かれた。IT企業で代表取締役を務める江島莉佳子さん(仮名・50代前半)は、休日に上司からシステムダウンの連絡を受ければ「喜んで!」と会社に赴く元「モーレツ社員」。月あたりの労働時間が300時間を超えることも珍しくなく、働きぶりが評価され、代表取締役に昇進した。
「30代のとき、休暇中に旅先でイルカを眺めるツアーに参加していたら緊急の電話が入り、イルカがはねる姿を見ながら、上司と話し込んだこともありました。ただこの話を今の若手にしても、『で?』という反応。『休みの日も働いているのは人として欠陥がある』という視線すら感じます」

