◆うつくしい街並みを眺めていたら…

「3人で並んで座っていました。高齢の両親もいたので、『座れてよかったね』と話していたんです」
うつくしい景色や街並みを眺めながら過ごしていると、大声で話す若い男女4人が乗り込んできたという。
「女性は甲高い声で手をたたきながら笑っていました。3人の男性は、サッカーの試合について興奮気味に話していましたね」
竹田さんは、「今が一番楽しい時期なんだろうな」と微笑ましく思っていたそうだ。
しかしその後、その思いを打ち砕かれるような展開に……。
一人の男性が武田さんたちを見て、「あいつら、さっきからずっと座ってね?」と小ばかにしたように笑い出したのだ。
するとほかの仲間も呼応するように、「図々しくね?」「体力なさすぎでまじ笑う」と続けたという。
「自分たちのことを言っていると察した両親は、“あきらかに不快そうな表情”を浮かべていました」
たまらず振り向いた武田さんに対し、「わぁ、あの人こっち睨んだ!」と嫌悪感を露わにしたのだとか。
◆若者たちの態度が変わった車掌のひと言
「早く降りたい」と思っていると、特急券の確認のために、4人の前に車掌が現れた。
「これまでの立ち振る舞いとは打って変わって、おどおどした表情を浮かべていました。すると車掌さんが、『もしかして、君たち切符買ってないの?』と尋ねたんです」
車掌の鋭い視線に、彼らは観念したのか、一気に静かになったようだ。
「特急券を買い忘れたのか、そもそも買っていなかったのかはわかりません。でも、その場面を見て、なんだかスッキリした気分になりました」
電車では個人のマナーが大いに問われる。だが、不快に感じても声をあげにくい空気があるのは事実だ。自分の何気ない行動が周囲の迷惑になっていないか、あらためて意識する必要があるだろう。
<取材・文/chimi86>
【chimi86】
2016年よりライター活動を開始。出版社にて書籍コーディネーターなども経験。趣味は読書、ミュージカル、舞台鑑賞、スポーツ観戦、カフェ。

