人間ドックの“追加オプション”でもう迷わない。医師が語る「一番おすすめの検査」と「優先順位が低い検査」

人間ドックの“追加オプション”でもう迷わない。医師が語る「一番おすすめの検査」と「優先順位が低い検査」

社会全体の高齢化が進む現代日本人にとって、「健康」は人生最大の支えであり、最大の悩みである。可能であれば年齢が70代や80代、いや90代まででも健やかなライフスタイルを維持したいが、一般的には40代を過ぎると身体機能の衰えや不調・疾病が表れやすい。これに備えて、大病リスクの察知や健康管理のため重要なのが「人間ドック」だ。

健康診断以上の項目を全身隅々までチェックする人間ドックは、サラリーマンも個人事業主も、社会の第一線で長く働いていくならば是非とも受診しておきたい。一方、人間ドックと言えば「受けたほうが良いんだろうけど、面倒で……」「個人負担の費用が……」「そもそもドコでどういう項目を受ければ……?」という心理的ハードルも若干高めである。

これを踏まえて、当記事では日本橋人形町消化器・内視鏡クリニックの院長・石岡充彬氏に話を伺い、人間ドックでの推奨オプションと低優先度オプションの見分け方など「40過ぎたら一度は受けたほうが良い人間ドックのコツ」を紹介していく。これが積極的な人間ドック受診の助けとなれば幸いである。

人間ドック
日本橋人形町消化器・内視鏡クリニックの院長・石岡充彬氏

◆人間ドックは主に「大病院受診」「クリニック受診」の2種

石岡院長は前職において、がん研有明病院の健診センターで副医長を務め、人間ドックの最前線に長く携わっていた経験を持っている。かなりディープな内容を聞けそうだが、その前にまずは人間ドックの概要から入っていきたい。

人間ドックの主な項目は身体計測、血液検査、尿検査、心電図、胸部X線、胃カメラ(またはバリウム)、腹部エコー、便潜血など。一般的なコースなら半日(3〜4時間)ほどかかり、オプションなしの基本セットなら4〜6万円程度が相場目安となっている。また、通常の健康診断でも言えることだが、受診前日の夜9時頃からの「絶食」も必須だ。

石岡院長いわく、「大きな病院」と「専門クリニック」で、実は人間ドックの中身がかなり違うようだ。

「大きな病院で受診する場合は、あらゆる専門科が揃っていることがメリットです。『1日で全身をまるっと調べて終わりたい』という効率重視の方向きですね。反面、多くの検査を流れ作業で回る必要があるため、融通が利きにくいのが難点です」

例えば、胃カメラで「鎮静剤でぐっすり眠っている間に検査してほしい」と希望しても対応が難しかったり、大腸カメラは別日に……という場合もある。また、不要な検査がセットに含まれることが多く、費用も少し割高の傾向だ。

「次に専門クリニックの場合は、『胃腸が心配だから消化器内科で徹底的に』『心臓が不安だから循環器科で』というように、必要項目だけ選んで専門医による検査が受けられます。検査項目を絞るため、余計な待ち時間や食事制限などの負担が少なく、費用も安く抑えられるのが魅力です」

だが、逆に言えば必要項目を自分で選べるだけの知識が必要という事でもある。加えて、そのクリニックの専門外となる領域について外部専門医と連携しているか、ただ検査して終わりにしていないかの見極めも欠かせない。人間ドック受診を本格検討するとき、まずは「大病院か、クリニックか」の2タイプの特徴を知るのが正解である。

◆40代以上を脅かす「魔のカーブ」

冒頭の通り、私たち日本人にとって40代は健康の曲がり角。この時期に人間ドックを受けるべき、もしくは受けないままでいるリスクは何だろうか。

「40代は『生活習慣病』が『臓器のダメージ』に変わる分岐点だからです。その理由は大きく分けて2つあります」

石岡院長は、まず健康統計上の「魔のカーブ」について指摘する。

「国立がん研究センターの最新のがん統計では、男女ともに40歳を境として、がんの罹患率(病気にかかる率)グラフが明確に上昇カーブを描き始めています。20~30代の若年性がんは遺伝などの特殊な要因が多いですが、40代以降のがんは長年の飲酒・喫煙・不摂生などの結果が、臓器のダメージとして表面化している事が多いです」

もう一つの理由は、会社の健康診断だけでは検査が「足りない」こと。

「会社で行う法定健診(定期健康診断)は、法定の『労働可能か』を見るための最低限のチェックであり、がんや臓器異常の早期発見には不十分。『症状が出たら病院へ』では、40代以降の病気は手遅れになりがちです。『今の自分は働けるか』という確認だけでなく、『5年後も元気に生きていく』ために、未来の自分への投資として人間ドックに行きましょう」


配信元: 日刊SPA!

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