◆「40代以前」でも受けておきたい検査
以上のように、人間ドックの際は大腸内視鏡検査、腹部超音波(エコー)、胸部CTをオプションに加えるのがおすすめだ。なお、石岡院長は40代になる「前」から、できれば年齢を問わず今すぐ受けておきたい検査についても触れている。「まずはABC検診(胃がんリスク検診)です。血液検査で『ピロリ菌感染の有無』と『胃粘膜の萎縮度』を調べるのですが、ピロリ菌がいなければ胃がんリスクは極小のため、胃カメラの必要性を判断する『一生に一度のクラス分け』として早期受診が賢明です」
加えて、女性の方であれば乳がん・子宮がんも40代以前の若いうちからリスクが高まるため、「40歳になったから」ではなく、未受診ならすぐにでも必ず受けた方が良いという。ABC検診も含め、健康のためには20~30代でも油断は禁物である。
◆「腫瘍マーカー」は偽陽性・偽陰性に要注意
ここまでは人間ドックのオプションについて、なるべく受けるべき高優先のものを紹介してきた。だが、これとは逆に優先順位が低い、もしくは通常ならば受ける必要がないオプションはあるのだろうか。「単独で行う『腫瘍マーカー』と、医学的根拠がまだ乏しい『線虫がん検査』などの簡易検査です。これらは手軽さが売りですが診断価値は低く、場合によっては混乱を招くだけのノイズになりかねません」
まずは、単独での「腫瘍マーカー(※PSAを除く)」について。本来、腫瘍マーカーは「すでにがんが見つかっている人の、治療効果や再発を見る」ためのものである。このため、健康な人のスクリーニング(病気発見)に使うと、以下のような懸念があるという。
「がんではないのに体質や良性の炎症で数値が上がり、無駄な精密検査と不安を招く『偽陽性』というケースや、その反対に早期がんでは数値が上がらないことが多く、数値が正常だから大丈夫だという誤った安心感を与えてしまう『偽陰性』のケースが考えられます」
こうした腫瘍マーカーのオプションをあえて付けるとしたら、「すでにがんの治療歴がある人の再発チェック」や「画像診断とセットで行う場合」だ。例えば、親族に膵臓がんが多く、腹部エコーやMRIとセットで膵臓系のマーカーを測るならアリだと、石岡院長は説明する。
「また、例外として、男性の『PSA(前立腺特異抗原)』だけは別です。これは臓器特異性が高く、前立腺がんの早期発見に非常に有用です。40代後半以降の男性なら、これだけは追加する価値があります」

