mymoへのコラム寄稿も、今年で8年目。そろそろ100本目の寄稿となる。その直前に、ワタシ(中村修治)が、なぜコラムを書き始めるようになったのか!?ホントのところは"2000万円を溶かした"のがキッカケだったというお恥ずかしい話を暴露させていただく。
芥川賞作家と動機は同じ…。
芥川賞作家の円城塔氏は、かつてこう語っている。 小説を書こうと思っていきなり書けたのか!?という問いに『その頃お金がなかったんです。かなり、猛烈になかったんですね。本が買えなかったので、じゃあ、自分が読みたい本を自分で書くというのでどうかと。買えない本の中身を推測して勝手に書けばいいんじゃないかと。お金がなかったというのが最大の要因ということですね。』と答えている。“本を買うお金がなかったから”を「創作の原点」に、芥川賞を獲ったわけである。
翻って、ワタシはどうだ。いきなりコラムが書けるようになったのか!?と問われれば、ワタシは苦笑いしながらこう答える『広島の企業へ融資した2000万円が、一銭も返ってこなかったからだ』と。
人生とは『現金』なものである。
それはあまりに無情で、理不尽。人を信じ、未来を信じて投じた大金が、溶けた。残ったのは、決算書に残り続ける汚点と消えることない自己嫌悪。そして、ふつふつと湧き上がってくる相手への拭い去れない憎悪…。あのクソやろー!何があっても立派に暮らしてやるぞ!敢えて督促もせずに、広島の某企業への当てつけのように、書き始めて、書き続けた。
顔で笑いながら、心にはしっかりと藁人形を忍ばせて、理不尽という名の化け物と渡り合ってきたのである。あの2000万円事件がなければ、きっと、このmymoに寄稿できる機会も生まれていなかった。そう思うと、人生とはつくづく「現金」なものである。