◆役者の仕事は減ったが…「今しかできない」に賭ける

「確かに、普通の役者の仕事はかなり減りましたよ。でも、お芝居はおばあちゃんになってもできるけど、ヌンチャクで仕事するのは今しかありませんから」
リスクを負ってでも、現状に安住せず進もうとする彼女の姿からは、ブルース・リーの名言のひとつ「幸せであれ。しかし決して満足するな (Be happy, but never satisfied.)」を彷彿させる。
いわばヌンチャクに“全振り”したワケだが、現状の仕事量や収入はどのくらいなのだろう。
「イベントの出演は、月に2〜3本ですね。そこに、テレビやYouTubeなどの出演が入って、仕事としては月に5〜6本というくらいだと思います」
さらに、ヌンチャクを“振る”以外にも、彼女の収入となっているものがあった。
「私がプロデュースさせていただいたヌンチャクが2025年に発売されて、ありがたいことに大きな反響をいただいています。気軽に手にしてもらいたくて、1990円と限界まで安くしたのも良かったみたいで。多くの方にご購入いただいています」
◆「競う」のではなく「広めたい」
プロ野球選手でもミュージシャンでも、芸や技術を披露することを生業にする人々は、本番の裏側で、その何十倍もの練習を重ねている。森さんも同様のようだ。「日々の練習もそうですが、猛練習を重ねる時期もありますね。以前、ヌンチャクでダルマ落としをする企画でテレビに出演することになったんですが、一発勝負ですし、ダルマは重さがあるので、スポンジ製の『ソフトヌンチャク』では落ちないんですよ。だから、『鉄製のヌンチャク』で毎日何時間も練習して。さすがに手が青アザだらけになりました」
日々研鑽を積んでいる彼女だが、芸能界はイス取りゲーム。ヌンチャクという日本ではニッチなコンテンツを奪い合うライバルはいないのか。筆者の知人にも、ヌンチャクを特技としてSNSなどで披露している芸人がいるが。
「いえ、ライバルはいません。なによりヌンチャクとブルース・リーを広めることが私の目標なので、むしろヌンチャクをやっている方は仲間ですね。だから、みんなでムーブメントを作っていきたいです」

