実績は十分だったはずなのに…経営を任された外部人材「プロ経営者」が早期離職に至る3つの理由【エグゼクティブ転職のプロが解説】

実績は十分だったはずなのに…経営を任された外部人材「プロ経営者」が早期離職に至る3つの理由【エグゼクティブ転職のプロが解説】

2.着任時から「次のキャリア」しか見ていない

転職に際し、「この会社で果たす役割をライフワークにしたい」と覚悟を決めて臨む人がいる一方で、着任した瞬間から次のポスト、次の転職を意識している人もいます。在任中から次のキャリアを口にしたり、転職渡り歩き術に関する自著を出したりするケースも見られます。

私は転職支援の際、「終身雇用マインドで転職しましょう」とお話しします。それは、雇用にしがみつけという意味ではありません。少なくとも着任時点では、その会社のミッションやビジョンに本気で向き合う覚悟が必要だということです。

着任時点から、次の自分のキャリアばかり考えているトップや幹部に、社員たちの心はついていくでしょうか。愛社精神の強い社員たちが多くいる会社であれば、そのような脇見ばかりしている経営陣や上司に対して憤りを感じるでしょう。

従業員は驚くほど敏感に、経営者の視線の向き先を見抜いています。

3.プロパー社員を軽視する「マウント型エグゼクティブ」

転職で入社したプロ経営者やエグゼクティブには、これまで自社を支えてきた従業員たち(=プロパー社員)への愛情を持って接する人と、そうでない人がいます。

これまで会社を支えてきたプロパー社員を尊重し、ともに戦おうとするか。それとも、彼らを軽んじ、自分の子飼いを外部から集めるか。この違いは、組織の命運を分けます。実際、プロ経営者やエグゼクティブの外部招聘を始めた企業で、続々と幹部クラスの人材が外部に流出する事象を何度も見てきました。

叩き上げのプロパー人材で主要なポストが占有されていて組織活力や柔軟性に欠けていた企業が、プロ経営者の着任で、よい意味で人材の代謝が活発になるというケースはもちろん多くあります。ただ、一方で、それまで愛社精神をもってその会社を支えてきてくれた中核人材が、せきを切ったように外部に飛び出し始めるということもあります。

後者のケースでは、着任したプロ経営者やエグゼクティブが外部人材を次から次へと招き入れ、それまで支えていた幹部をどんどん外してしまう。そうした結果の人材流出です。

実際に私も、プロパーの人事部長を前にして「うちは本当に、内部に使える幹部が全然いないんでね」と話すプロ経営者に会った経験があります。こうしたトップや幹部が、従業員たちの総力を結集して、事業を成長させたり変革したりすることは難しいのではないでしょうか。

「俺のほうが上だ」「俺が教えてやる」というようなマウント型のエグゼクティブは、人間関係部分でつまずき、成果を上げることなくその会社を去る可能性が高くなるでしょう。

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