◆「皇室を続ける」とは何か
続けているとは、どういうことか。神話や伝説の時代から、皇位の男系継承が続いていることである。歴代百二十六代、南北朝時代の五人の天皇を含め、全員が神武天皇の男系子孫である。よく誤解されるが、八方十代の女帝も男系子孫である(重祚と言って、二回即位した天皇がいるので、代数と人数がずれる)。百二十九人の天皇は、八人の男系女子以外は、全員が男系男子である。皇室における男系とは、父親の父親……とたどっていくと必ず天皇・皇族にいきつくことである。だから男子であれ女子であれ、皇族は必ず神武天皇の子孫である。例外的に、結婚によって皇族になった女性は違う。皇室は一般人の女性を受け容れてきたが、一般人の男性を一人も受け容れてこなかった。なぜか。男は子供が産めないからである。これを男性差別だと言われても、そういう伝統で続けてきた。

◆正統(せいとう)と正統(しょうとう)の違い
歴代天皇には、正統(せいとう)と正統(しょうとう)がある。正統(せいとう)とは、即位した本物の天皇のこと。反対語は「偽」「異端」になる。南北朝時代は天皇が並立したが、正統(せいとう)から外された北朝の天皇は「偽」とはされず、「閏」(じゅん)とされた。正統(しょうとう)とは、子孫が皇位を継いだ天皇・皇族のこと。たとえば、伝説の時代では、初代神武天皇から第十二代景行天皇までは父子継承。十二人全員が、正統(せいとう)で正統(しょうとう)。第十三代は景行天皇皇子の成務天皇が継いだ。しかし、子が無かった。そこで兄の日本武尊の皇子(成務から見て甥、景行から見て孫)が継いで、第十四代仲哀天皇。成務天皇は正統(せいとう)な天皇だが、正統(しょうとう)からは外れる。日本武尊は天皇になっていないから正統(せいとう)ではないが、正統(しょうとう)の皇族。今の皇族は全員が日本武尊の子孫である。
今上陛下は神武天皇七十三世。この伝統を続けるのか変えるのか。
変えるとは、やめると同義である。

