「ウサギの糞を食べさせられた」いじめと宗教家庭に苦しめられた女性が、母になって起きた心境の変化

「ウサギの糞を食べさせられた」いじめと宗教家庭に苦しめられた女性が、母になって起きた心境の変化

◆名門校から夜間高校、そして大学中退2回。その理由は?

Marukido
“再構築後”を経て、表現者として新たなフェーズに突入するかもしれない
――確かにMarukidoさんの表現の根底には、教養が感じられますね。

Marukido:ありがとうございます。私は中学受験を経て共立女子中学校に進学したのち、高校までを過ごしました。途中で退学して夜間高校へ行き、大学を2つ中退しています。中退した理由は、ビジネスへの関心が強くなったことです。当時、さまざまなスタートアップ・ベンチャーが台頭するなかで、私もアプリケーションソフトの開発などに没頭していました。今はもう巨大資本になった、私たちの生活に不可欠なサービスを提供する企業などが成長していく姿を間近で見られたことも、かけがえのない財産です。そうした意味では、知的な好奇心が当時からあるといわれればそうなのかもしれません。

――インプットとアウトプットを絶えず繰り返して、クリエイティブな活動をしてこられたMarukidoさんにとって、家事育児と向き合う時間はどんなものでしょうか。

Marukido:さまざまなことをポジティブに捉えられたらいいなとは思うものの、本心で言えば、私自身がもっとも自分が母親になったことを受け入れられていないかもしれません。これまで合法と非合法のあわいを縫うようにして、それを言語化してきましたが、母親になったら「そんなことはマズイ」とどうしても思ってしまって(笑)。子どもの誕生で、その価値観や世界観が一気にひっくり返るのを経験しました。

 出産や子育てによって、これまで抱えていたジレンマがより激しくなって、いったん自分がバラバラになったんですよね。そして自分を再構築している最中なのかもしれません。

――では、今後の展望を伺おうと思ったのですが、今は分解したご自身を再び組み立てているという感じでしょうか。

Marukido:正直に言えば、そうなるでしょうね。ただ、夫と知り合ったことで政治に対する関心も出てきたし、AIについての興味なども、もともとありましたので、自分の発想力を社会貢献に結びつけられればいいなと思っています。表現活動ももちろんかけがえのないものですが、まだ世の中にないサービスを提供することも、同じくらい素敵なことだなと今は感じています。

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 波乱万丈だった人生が、妊娠と出産によって再び大きく揺れる。Marukidoさんが経験した、価値観の転倒。これまで心地よく感じていたものが嫌悪の対象になり、忌み嫌っていたしがらみの引力に絡め取られる。「大人になった」「社会に適合した」としたり顔で評論する気はない。彼女はきっと今も、激情を飼いならしながら正気を装う表現者であり、社会を好転させようともがく一介の市民でもあるのだろう。

<取材・文/黒島暁生>

【黒島暁生】
ライター、エッセイスト。可視化されにくいマイノリティに寄り添い、活字化することをライフワークとする。『潮』『サンデー毎日』『週刊金曜日』などでも執筆中。Twitter:@kuroshimaaki
配信元: 日刊SPA!

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