「リングに上がれず終わるのか」寺地拳四朗を襲った“計量後の悲劇”。「試合直前の深夜」に何が起きたのか。前代未聞の中止劇を振り返る

「リングに上がれず終わるのか」寺地拳四朗を襲った“計量後の悲劇”。「試合直前の深夜」に何が起きたのか。前代未聞の中止劇を振り返る

2025年12月、前WBA&WBC統一世界フライ級王者の寺地拳四朗が臨むはずだったサウジアラビアでの統一戦は、公式計量を両陣営が問題なくクリアしていたが、その夜、突如中止に。試合に向けた調整は順調で、リカバリーも問題なく進んでいたそうだが、リングに上がることすら叶わなかった。

この試合は、単なる防衛戦ではなかった。3階級制覇、そして同階級に君臨する統一王者ジェシー・ロドリゲスとの対戦へとつながる可能性が広がる一戦だった。その意味で、突然のキャンセルが寺地と陣営に残した影響は小さくない。

なぜ試合は中止されたのか。そのとき現地では何が起きていたのかーー。マネージャーの三迫ジム会長の三迫貴志氏、そして寺地本人から話を伺った。

寺地拳四朗
寺地拳四朗

◆計量クリア後の「突然のキャンセル」…真相は?

ーー先日行われるはずだったサウジアラビアでの統一戦。現地入りし、調整も万全だったと聞きます。まさかの試合中止が決まったのはいつだったのでしょうか。

三迫貴志:サウジアラビアに到着してからも調整は順調で、気候も良く、全てが良い流れでした。時差もマイナス6時間なのでアメリカに比べれば楽ですし、減量も上手くいっていた。 運営を手伝っている日本人スタッフから連絡が入ったのは、試合前日の22時過ぎです。「中止です」といきなり言われて、最初は状況が理解できませんでした。ロビーに飛んでいって日本人スタッフに食い下がったのですが、「相手選手が勝手に病院に行ってしまった。コミッションの決定だ」と。どうにもなりませんでした。

寺地拳四朗:僕は部屋でくつろいでいたんですが、23時頃にトレーナーから電話があって、「すぐロビーに来てくれ」と。声が深刻そうだったので、「俺、ドーピングとか何かやらかしたんかな?」と一瞬不安になりつつ慌てて下に行ったら、スタッフ全員がこの世の終わりのような顔をしていて……。「試合がなくなった」と言われた時は頭が真っ白で……。怒りとか悔しさというより、「ここまで来てリング上がらへんの? 計量までしてるのに?」という不思議な感覚で。ただただモヤモヤしましたね。

三迫貴志:全員が一斉にため息をついていましたね。あの空気は恐ろしかった。何とも言えない沈黙が続いて。

◆「4団体統一」に繋がるはずだったが…

ーー突然の中止で、精神的に相当なダメージがあったと思います。今回の試合は、単なるタイトルマッチ以上の「大きな意味」を持つ一戦だったと聞いています。その中で、拳四朗選手を突き動かしていた原動力は何だったのか、改めて教えてください。

三迫貴志:今回の試合は、単なる「3階級制覇」以上の意味がありましたからね。 このIBFのベルトを取れば、同じ階級の3団体統一王者であるジェシー・ロドリゲスとの4団体統一戦が見えてくる。バムは今やスーパースター候補ですから、彼と戦いたいというのが拳四朗の念願でした。世界的権威のある専門誌『リングマガジン』もこの試合を評価してくれていましたし、期待感は最高潮でしたよ。

寺地拳四朗:そうですね。次が見えていたので、モチベーションは管理するまでもなく勝手に上がっていました。練習もハマっていたし、「いい流れで戦える」という確信があった。だからこそ、あんな形で終わってしまったのが、余計にモヤモヤするんですよね。


配信元: 日刊SPA!

提供元

プロフィール画像

日刊SPA!

日刊SPA!は、扶桑社から発行する週刊誌「週刊SPA!」が運営するニュースサイトです。雑誌との連動はもちろん、Webオリジナルの記事を毎日配信中です。ビジネスマンが気になる情報を網羅!エンタメ・ライフ・仕事・恋愛・お金・カーライフ…。ビジネスタイム、プライベートタイムで話したくなる話題が充実!

あなたにおすすめ