NISAは国民的な資産インフラに?地域間格差とこどもNISAの未来は

新NISA開始から2年、国民の5人に1人が口座保有

2024年1月に開始された新NISA制度は、2025年6月末時点で全金融機関の総口座数が約2696万口座に達しました。新制度開始前の2023年末と比較すると約571万口座増加しており、国民の約5人に1人がNISA口座を保有する計算になります。

出典:日本証券業協会

この普及の背景には、長引くインフレによる家計防衛意識の高まりがあります。2025年には家計金融資産に占める現金・預金の比率が18年ぶりに50%を割り込み、49.1%まで低下しました。物価上昇による現金の目減りを懸念し、株式や投資信託へ資金をシフトさせる動きが加速しています。

投資先は低コストのインデックスファンドへの集中が続いており、特に全世界株式(オルカン)は2024年から2年連続で資金流入額首位となり、2025年だけで約2兆4541億円が流入しました。これは多くの個人投資家が長期・分散投資による将来の資産形成を重視している表れと言えます。

深刻化する地域間格差:東京32%対青森15%

傾いたシーソー 【画像出典元】「stock.adobe.com/78art」

NISA普及が進む一方で、課題として浮上しているのが地域間の「普及格差」です。2025年6月末時点のデータによれば、東京都の人口比でのNISA口座開設率は32%である一方、青森県は15%にとどまり、両者の間には2倍以上の開きがあります。岩手県(15.8%)や秋田県(17.3%)など、東北地方を中心に普及の遅れが目立っています。

この格差の要因として、地方における急速な高齢化が挙げられます。秋田県では65歳以上の人口比率が39.5%に達しており、資産の取り崩し期にある高齢層が多いことが、新規投資へのハードルとなっています。

また深刻なのが「情報格差」です。NISA利用者の多くはネット証券を利用する30~40代が中心ですが、地方では対面でのサポートを求める声が根強く残っています。「ネット証券で口座を作ったが、商品選びができずに止まっている」「顔が見える担当者に相談したい」といったニーズがあり、ネット中心の情報流通が地方の潜在層に十分届いていない現状があります。

配信元: mymo

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