ここ数年ラフに集える立ち飲み文化が隆盛だが、2025年に入り、独自のスタイルを追求する大人たちは、自分が好むカルチャーを酒場にも求めるように。
東京のあちこちで誕生するストリート酒場に迫る。
2024/12/18 OPEN
大きな提灯が目印。立地はシルクスクリーン印刷を手掛ける工房の間借りという隠れ家
いまセンスのいい大人が集うストリート酒場の勢いが凄まじい。例えば、飲食激戦区・三軒茶屋にオープンした『韻STUDIO』は、もはやコンセプトから飲み屋ではなく社交場だ。
「料理はありません。会話のきっかけになればと、酒は個性のあるラインナップに」と店主の清水剛史さん。
BEAMS出身ということもあり、集うのは20代前半のアパレル関係者やクリエイターの卵たち。夜が更けるほどに盛り上がる。
店のベーススピリッツは、2種の焼酎をブレンドした自社栽培のドライハーブが香るジン「YAMATOUMI」。ジンソーダ¥1,000~。
野良猫のイラストが個性的な「ガットリベロ」を用いたドリンクも豊富。¥800~。
2.本格中華を茶割で楽しんだら、夜の満足度は桁違い!
『立食 型破離』@神泉
2025/4/8 OPEN
キッチンを囲むUの字のカウンターはスタイリッシュ
渋谷に現れたのは、自由が丘の人気店『立呑み中華 起率礼』の姉妹店『立食 型破離』。
本格中国料理をベースに、クリエイティブな発想を掛け合わせている。
本格中華料理店出身のシェフが腕を振るう一品料理は約20種類
「立ち飲みはお酒を楽しむ店ですが、うちはお酒を飲まない人にも料理を楽しんでほしい」と店主の正木勇貴さん。
鶏やモミジ、豚でとった濃厚な白湯スープを香ばしいおこげにかけた「フカヒレと鍋巴(おこげ)の白湯仕立て」¥2,900。
茶割はすべて水出し。深みある味わいの「台湾鉄観音割り」やキンモクセイが香る「桂花蜜烏龍割り」など華やかな味わい。各¥690
立ち飲みの概念を軽やかに超え、トレンドに敏感な人種を惹きつけている。
3.お洒落な学大民に愛されるホルモン酒場が大賑わい!
『サンヤ』@学芸大学
2025/6/15 OPEN
築80年以上の建物を丁寧にリノベーション。味わい深い木の梁やタイルの壁などラフな雰囲気が格好いい
個人店がひしめく学芸大学で満席必至の居酒屋『目黒 三谷』の2号店として誕生したのは立ち飲み『サンヤ』。
本店のハナレ的なポジションで、仕事帰りにふらりと寄れる地元密着型だ。隣の客と自然に会話が生まれるムードがいい。
店主の曽我翔太郎さんは「街の空気感と僕らの感性をミックスして、新旧の住民に親しまれる店を作りたい」と話す。
「芝浦ホルモン3種煮込み~塩~」¥960。
芝浦でその日の朝に締めた鮮度抜群のホルモンを使用。山椒の爽やかさがアクセント。
「三谷ればぁにら」¥960。
ニラソースの上にレバーを乗せ、にんにくチップを散らしたモダンな一品。
4.「なみなみワイン」を求めて連日17時から通う客が続出中
『たちのみ 台東STAND』@浅草橋
2025/7/25 OPEN
開放感のあるガラス張りの店内で、初来店でもおしゃべりが弾む
また、東京の東側でも同様の波が広がっている。日暮里で地元コミュニティを盛り上げた『立ち飲みワイン 荒川STAND』が、浅草橋に『たちのみ 台東STAND』として進出。
気軽なコップワインをメニューに加え、「カウンターは目線が合う高さ、声が届く幅にこだわりました」と店長の恩田智美さん。
「なみなみワイン」¥580。たっぷり220mlでこの価格!
軽い塩気ともちもちの食感がクセになる「ゼッポリーニ 生ハム乗せ」¥680。
「スペイン風ミートボール アーモンドトマトソース」¥680。
コクのあるトマトソースに赤ワインが進む。
5.ベトナム小皿料理でワインを嗜む“チルさ”が堪らない
『ベトナム屋台スタンド めくる莊』@神楽坂
2024/12/4 OPEN
ビビッドな黄色のカウンターに、民芸調のベトナム提灯が灯る異空間
さらに神楽坂では『ベトナム屋台スタンド めくる莊』が話題に。
海外経験もある店主の秋山友樹さんは、「海外のようにラフに会話ができる場にしたくて、立ち飲み席はマストでしたね」と笑う。
シナモンや八角のスパイスが香る「フォーガー」¥900。
ベトナム焼き鳥の「もも」「アスパラ巻き」各¥300。レモングラス入りの辛いタレがクセになる。
ワインはナチュラルが中心。余韻が長い「ロクタヴァン」や旨みがのったアルザスの白ワインも。ボトル¥6,000~
古民家を改装した秘密めいた空間と自然派ワインの組み合わせが、感度の高い大人たちを呼んでいる。
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店の個性に客が愛着を持ち通う。
東京ではいま、そんな大人の新しい遊び場があちこちで芽吹いている。
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