◆需要高止まり。緑茶飲料市場は限界なのか
伊藤園は今期営業減益となる見通し。減損損失という一時的な要因ではなく本業で稼ぐ力も低下しています。会社の予想通りの着地で、今期の営業利益率は4.0%。伊藤園は2022年4月期の決算からリベートを売上から控除しています。リベートとは、メーカーが小売店などに対して代金の一部を払い戻すもの。販売奨励金と呼ばれる、古くからある商習慣です。
リベートを控除しているため、営業利益率は高まるはず。しかし、コロナ禍で行動制限が敷かれる前の2019年4月期の営業利益率は4.5%でした。稼ぐ力は下がっています。背景にはこのリベート負担の重さがあるでしょう。
足元で緑茶飲料の市場は高止まりしています。2025年度の市場規模は4680億円で、前年度比で1.1%減少する見通し。伊藤園の2026年4月期上期の緑茶の販売数は0.7%低下しました。
◆緑茶一本足からの脱却を目指す
一方、その他茶系飲料の市場は伸びています。2025年度は前年度比2.4%増の5200億円。伊藤園の麦茶の販売数は6.0%増加しています。伊藤園が販売強化に努めているのが緑茶以外の商品。ほうじ茶、玄米茶を2025年9月にリニューアルし、大谷翔平選手を起用して大々的にプロモーションしました。その他、レモンやはちみつ入りの緑茶「お~いお茶 PURE」を開発するなど、新機軸を打ち出しています。
「お~いお茶 PURE」は累計販売本数が5000万本を突破しています。
通常、メーカーが新商品を販売する際、導入リベートを採用します。導入リベートとは、新商品をできるだけ世間に広めるため、リベート率を高めに設定するのが一般的。つまり、メーカーは薄利になることを織り込んだうえで、新商品の販路拡大やシェア獲得を優先するのです。
伊藤園の売上高に対する広告宣伝費の比率は2%ほどであり、2019年4月期も今期もほとんど変わりありません。リベートが利益を圧迫する要因の一つになっている可能性が大にあります。

