チャバタの香ばしさが、断然際立っていた。
軽やかだけど、スカスカでもふわふわでもなくて、噛みごたえのある弾力と、サクッと焼かれた表皮のコントラストがとてもおいしい。作り立てで全体の味がそこまで馴染んでいないぶん、オリーブオイルの香りも、ストラッチャテッラ(チーズ)のジューシー具合もよりダイレクトで、だけれど、決して油っこいとは感じなかった。ピスタチオもびっちりなのに、まったく重くもないし、くどくもない。食べ終えて口の中に居残る味がなく、さらっと消えていく。後味まで含め、食べ心地が良かった。

後日、作るところを見せてもらったら、思っていた以上にピスタチオを惜しみなく塗り、散らしていた。ペーストは、実を店で粉砕して作っているという。油っこさやくどさを感じない所以は、そこにありそうだ。チャバタも、近くのブーランジュリーに特注していて、毎朝焼きたてが届けられるそうだから、やはり鮮度は大きく物を言うようだ。
ポルペッタ(ミートボール)はオーナーのおばあさんのレシピで作っていると聞いて。
それは食べないわけにはいかないなぁと思い、食べた。ピスタチオサンドはチャバタを上下に切り分けていたけれど、ポルペッタのときは、完全に切り離さず、袋状にして、そこにまずお玉でトマトソースを入れる。次にミートボール、続いてスモークしたモッツァレラを加え、最後にバジル。

やっぱり、おばあちゃんのレシピというのは、何かあるのだろう。驚くほどスイスイ食べてしまった。ぎゅぎゅっと握られた感じのミートボールは、ビシッと硬派な肉の風味が決まっているのに、どこかふわっとして、かつ、さっぱり。聞けば、牛肉に少し仔牛肉も混ぜているらしい。トマトソースも、エシャロット、玉ねぎ、バジル、パセリ、ニンニクを加えて作ったオーソドックスなものだそうだけど、すごく食べやすくて、ひと口目からしばらくはスモーク・モツァレラとトマトソースだけで食べ進めたくらい。肉じゃがで、ちょっと溶けたじゃがいもと玉ねぎと煮汁をご飯にかけて、それだけでいいっていうのに通ずるおいしさだった。




前述のとおり、本誌では、冬になって登場したコッパ(豚の生ハム)と栗のかけらが入ったコッパサンドを紹介したのだが、これも捨てがたいのだ。ハチミツの存在もポイントだと思う。甘くてしょっぱい味の組み合わせが食べたい気分の日には、こっちだなぁ。春先まではメニューに残すつもりと言っていたから、もうしばらく楽しめそうだ。

