20代のときに、私の生き方を変えた本は、『アラビアの夜の種族』。東京都・府中市『マルジナリア書店』 が届けるベターライフブックス。

20代のときに、私の生き方を変えた本は、『アラビアの夜の種族』。東京都・府中市『マルジナリア書店』 が届けるベターライフブックス。


This Week Theme20代のときに、私の生き方を変えた本。

Book of the Week『アラビアの夜の種族』古川日出男 著(角川文庫)

本はとにかくたくさん読んでいた。日本の文学はもう決まり切っているのではないか、と不遜にも思っていた。子どもの頃からの読書好きで、本に飽きるということはなかったが、なんとなく傾向が見えているような気がして、いっぱしを気取って斜に構え、心躍らせて本を読む、という体験が減っていた。

そこに『アラビアの夜の種族』は現れた。ページをめくる手がとまらない。ヒジュラ暦1213年(西暦1798年)、イスラム圏のエジプト・カイロにナポレオンが迫る。その猛攻に立ち向かえるのは『災厄の書』だという。1冊の本を巡り、歴史が大きく動く。その渦中の人物たちは現実と物語の境目をあやしくさまよう。

読む者を狂気に導く『災厄の書』を描く物語は、この本自体が『災厄の書』そのもののように私を読書に溺れさせた。文学を舐めてごめんなさい。以後も、私は本を読み続けた。宝石のような本は、それからもたくさん見つかった。

※写真は2001年刊行の単行本初版。現在、文庫は3冊に分冊されている。

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店主の小林えみさんが、京王線とJR南武線が交差する分倍河原(ぶばいがわら)駅の目の前に、2021年にオープン。10年以上本屋のなかった町に、人と本が出合う、交差点のような場所を作った。「やさしくて、うつくしいもの。ときどき、するどいもの」そうした本の選書を心がけ、独自の視点を届けている。店内では〈夕凪文具店〉の雑貨も販売。 住所:東京都府中市片町2-21-9 ハートワンプラザ3階  営業時間:13:00〜19:00  定休日:第二・第四火曜と毎週水曜

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