◆レッズ先発予定のグリーンが抱える“2つの課題”
一方、対戦相手のレッズは26歳の右腕ハンター・グリーンが第1戦に先発するとみられている。グリーンといえば、2017年のドラフトで全体2位指名された逸材だ。160キロ超えの剛速球を誇るメジャー屈指のパワーピッチャーだが、これまで2つの課題を抱えていた。1つ目は制球力だ。自身初のオールスターに選ばれた昨季は、150回1/3を投げて57四球。与四球率は3.4と比較的安定していたが、両リーグ最多の19死球を記録するなど、荒れ球のイメージが強い投手だった。
ところが、メジャー4年目を迎えた今季は、年齢的にも充実期に差し掛かったのか、107回2/3を投げて22四球。与四球率を前年の3.4から2.2へと大幅に改善してみせた。さらに死球数も2個にとどめ、もはや制球難のイメージはない。
そして2つ目の課題が一発病だ。160キロを軽く超える剛球の持ち主ながら、メジャーに昇格した当初はフォーシームに頼りすぎる面があった。被本塁打率は1年目が1.72、2年目は1.53とどちらもリーグワーストレベル。
3年目の昨季は0.72へ大きく改善させたが、今季は1.25とやや悪化している。それでも1~2年目に比べると、一発病は影を潜めているといえるだろう。
◆ドジャースは山本・大谷が控える盤石ローテ
2桁勝利を挙げた投手が3人を数えるレッズにおいて、グリーンは若きエースと呼べる存在。ポストシーズンは未経験だが、好調時は手が付けられないタイプだけに、強力なドジャース打線をあっさりと抑え込んでも全く不思議ではない。ただ、仮にドジャースがスネルで初戦を落としたとしても、第2戦以降には山本由伸と大谷翔平の日本人投手2人が控えている。それに加えて、タイラー・グラスナウとエメ・シーハンがブルペン待機する見込みで、やはりドジャースの優位は変わらないだろう。

