技術革新と事業の転換点

その後の発展を支えたのは、技術革新と製造能力の飛躍的向上です。 創業期は月産数トンにすぎなかった生産量も、技術進化により現在では年間約4万トン規模にまで成長しました。
また、同社の歴史の中で重要なトピックとして挙げられるのがポリシリコン事業です。同社事業のもう一つの柱を担っていましたが、世界の需給バランスや投資効果を考えたときに選択と集中の観点から撤退を決断しました。厳しい選択を求められる中でも、同社は本業であるチタン事業と向き合い続けるとともに、チタンに新たな価値を付加する高機能材料の拡販に注力していると言います。
困難に立ち向かう社員の姿とV字回復
チタンは酸素と結びつきやすく加工が難しい金属で、酸素膜の厚みによって色が変わる特性を持ちます。バイクのマフラーなどに見られる青紫の発色は塗装ではなくこの性質によるもので、こうした扱いの難しい素材を巧みに操りながら、社員が技術を伝え合い、互いを支えながら品質を守ってきたことが同社の強みです。
近年最大の試練となったのがコロナ禍であり、航空機需要の急落によって売上は200億円を下回りました。(2024年度の売上高は519億円)その時は福利厚生の一時休止や経費削減など組合と経営陣が一丸となって困難に立ち向かい、その後のV字回復につなげたそうです。
ロシアのウクライナ侵攻により世界のチタン供給網が変化し、日本企業への需要が集中したことで売上は力強く戻りました。世界情勢の後押しもあり、同社は過去と比較しても高水準の賞与やベースアップで社員に還元しています。今も危機を共に乗り越えた社員への感謝と信頼が、会社の文化として深く根付いてるのだそうです。

