業務整理で残業が半減。年間3,500万円の残業代も大幅削減
2021年9月時点、部門全体の残業時間は月およそ2,000時間に上っていました。残業代だけで年間およそ3,500万円が支出されていたといいます。
医事課だけを見ても、月に合計600時間の残業が発生していました。作業内容を分析すると、資料の探し物、データの二重入力、紙からの転記など、本来不要な作業に多くの時間が取られていることがわかってきました。
「配置や役割、スキルが噛み合わないまま業務が割り振られたことで、忙しさだけが積み重なっていたのだと思います」(塚越人事総務部長)
属人化していた業務はマニュアル化し、権限や役割も見直しました。電子カルテ導入後も残っていた紙での確認作業や二重管理も、一つずつ整理してなくしていきました。その積み重ねによって、部門全体で月2,000時間あった残業はおよそ1,000時間分まで減少。それに伴い、残業代の支出も大幅に減らすことができました。
「手取りが減ることに抵抗する人は一部いましたが、これで辞めた人はほとんどいませんでした。多くの人は早く帰りたいと思っていたんです」(塚越人事総務部長)

面談から見えた、現場の“見えない負担”
この改革は、数字だけで進められたわけではありませんでした。塚越人事総務部長は、データ分析と並行して、全職員およそ200人と年に1回、1人あたりおよそ1時間の個別面談をおこなっています。
「面談をする理由は2つあります。ひとつは、私の分析結果と職員の感覚の整合性を確認することです。数字はすべてを表現できるわけではありません。面談は数字によるミスリードを防ぐうえで非常に重要なことですし、データには表れない職員の人柄にも触れることができます。
もうひとつは、職員の要望や悩みを知るためです。現場で感じる小さな不満が、実は病院にとってとても重要なこともあります。以前当院では、手動のベッドを採用していたんですが、その作業が大変だという声が上がっていました。朝7時半からおよそ100台のベッドを手動で起こす作業は、日々の積み重ねで大きな負担になっていました」(塚越人事総務部長)
ベッド一台を起こすのに1~2分かかると仮定し、これを1日3回繰り返すと部門全体で1日10〜15時間がこの作業に費やされます。
看護師の平均時給をもとに作業時間を人件費に換算すると、電動ベッドをリースしたほうが、長期的にはコストを抑えられることがわかりました。現場の負担軽減と費用対効果の両面から検討し、電動ベッドの導入を決定しました。
「面談には膨大な時間がかかります。でも、面談をするからこそ、数字だけでは見えない改善策にたどり着けました」(塚越人事総務部長)

