「日本にいれば不自由しない」パスポート保有率が“6人に1人”まで落ち込んだ日本の現実、英語力「世界92位」の衝撃

「日本にいれば不自由しない」パスポート保有率が“6人に1人”まで落ち込んだ日本の現実、英語力「世界92位」の衝撃

円安などの影響から、いま日本では日常的に多くの外国人観光客を見かけます。店内や道端などでふと声をかけられ英語を使う場面も増え、「もっと英語が話せるようになりたい」「長期休暇には海外へ行ってみたい」と口にする人も少なくありません。しかし、外務省の統計によると、日本人の有効パスポート所持率は2025年2月時点で20%を切っているというのです――。永田智睦氏の著書『人生の選択肢を増やす資産スイッチ』(アスコム)より、パスポート所持率に透けてみえる日本人の「海外志向の低さ」を考察します。

パスポート保有数、「6人に1人」どまり

1つみなさんに質問です。日本人の「パスポート所持率」、今はいったい何パーセントだと思いますか? ちょっと考えてみてください。

実は現在、日本人の有効パスポート所持率は約17%(2025年2月時点で16.8%)にとどまっています。外務省の統計や複数の報道によれば、2010年代まで22~25%程度で推移していたものの、2019年には23.8%、そしてコロナ禍後の2023年には17.0%まで低下しました。直近の数字を見ても、所持者数は「人口の約6人に1人」という状況です。

コロナ禍という大きな社会変化も起因しているとは思いますが、それを考慮してもパスポート所持率が2割を切っているのは衝撃的です。このことから「日本人が海外に目を向ける機会や意識が圧倒的に少ない」「日本人の約8割は今すぐ海外に行くことができない」という現実が浮かび上がります。

経済や文化のグローバル化が進む中、渡航経験や国際的なネットワークを持つ層は限定的であり、結果として国際ビジネスや異文化理解が進まないことも暗に示しているのです。

地理、利便性…日本人が海外に目を向けない3つの理由

では、いったいなぜ日本人の海外志向はこんなにも低いのでしょうか。それには、いくつかの要因が考えられます。

第1に、地理的・経済的背景です。日本は島国であり、日常生活において海外渡航の必要性がなく、渡航しようと思っても飛行機や船を使用するといった時間と手間が発生します。

第2に、国内市場の規模が大きく、また生活の利便性も高く、国境を越えなくても十分に生活や仕事が成立する環境が整っていることです。多くの日本人が身を置く「日本だけで問題なく暮らせる」環境こそが、海外志向を失わせているのです。

第3に、語学力や異文化適応力への不安、海外生活に伴う費用負担の大きさなど、心理的・経済的ハードルが存在します。英語能力指数を測る「EF EPI(EF English Proficiency Index)2024」の試験結果によると、日本は英語が非母語の116か国中92位で、アジア23地域の中では16位に位置しており、英語力は「低い」という客観的事実があります。

さらに近年は、円安や航空運賃の高騰、国際情勢の不安定化といった外部要因も重なり、海外渡航への意欲がさらに低下しています。このような背景からも、国外に目が向かないのは仕方のないこととも捉えられます。しかし、本当にそうなのでしょうか?

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