「肩身が狭いです」若者にブームの赤提灯やスナックで“居場所を失った”中年の嘆き。“自然な会話”もご法度に

「肩身が狭いです」若者にブームの赤提灯やスナックで“居場所を失った”中年の嘆き。“自然な会話”もご法度に

◆若い一見客に気を遣う店員に常連客は違和感

立ち飲み屋
一方で、おやじたちの孤独感は関西でも広がっている。大阪の立ち飲み屋での体験を語ってくれたのは、府内の配送会社に勤務する澤部さん(仮名・45歳)だ。

「夜勤明けは、いつも京橋で朝から営業している立ち飲み屋に寄って帰るんです。同じように夜勤明けの常連客と並んで他愛もない話をするのがささやかな楽しみです」

ところが最近、その光景にも変化が出てきたという。

「立ち飲みブームの影響なのか、若い女性の姿が目立つようになってきました。それも、スーツケースを引いてきて、夜行バスか何かで旅行に来た感じの子たちです。狭い店なのでスーツケースがあるとさらに窮屈になる。彼女たちは気にする様子もなく、写真を撮ったり、スマホで配信をしたりして盛り上がっていましたが……」

さらに澤部さんが気になったのはその後だ。

「他の常連が声をかけたところ、相手はあからさまに嫌そうな表情をしていました。“ナンパ”のように受け取られてしまったみたいで、普段ならそんなことは言わない店員まで『ナンパはだめですよ~』と注意し始めて……。声をかけた知り合いは気まずそうに会計を済ませ、そのまま帰っていきました。一見の客だから気を遣ったのかもしれませんが、立ち飲み屋は、知らない客同士でも自然に会話が生まれるのが醍醐味のはず。なんだか、店の雰囲気そのものが変わってしまったように感じましたね……」

昔ながらの酒場で、肩身を狭くしている中年たち。平成レトロブームのなかで、いまの若者たちに合わせた空間づくりをすることは、店によっては、合理的な選択かもしれない。しかし、店によっては、かつての常連たちが“場違いな存在”になりつつあるのも事実だろう。

<取材・文/カワノアユミ>

【カワノアユミ】
東京都出身。20代を歌舞伎町で過ごす、元キャバ嬢ライター。現在はタイと日本を往復し、夜の街やタイに住む人を取材する海外短期滞在ライターとしても活動中。アジアの日本人キャバクラに潜入就職した著書『底辺キャバ嬢、アジアでナンバー1になる』(イーストプレス)が発売中。X(旧Twitter):@ayumikawano
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