◆高市首相はオールマイティーの権力を得た
さて、自民党だけで衆議院で三分の二の議席を得た。我が国は野党が存在しない国のようである。参議院では相変わらず与党は少数だが、参議院で法案を否決されても自民党だけで再可決できる。これは連立与党の維新を無視して良いということでもある。昨年末はことあるごとに維新が連立離脱をちらつかせ、そのたびに高市自民党が妥協を迫られた。しかしこれからは、「どうぞ」と言えてしまう。高市首相は次の選挙まで、オールマイティーの権力を得た。総理大臣の権力とは、衆議院選挙で示された民意を背景にしているので、次の選挙まで何をやっても良い。高市首相は消費減税を公約したのだから、阻む力は無い。「言い訳ができない状況」になったとも言える。まさか、公約が「検討を加速する」だったので、「検討したけど実現しません」とは言うまい。
第二次政権において安倍晋三首相は選挙にすべて勝った直後に、時の財務事務次官木下康司に消費増税を押し付けられた。高市首相には二の舞にならぬようしていただきたい。選挙に勝った(しかもこれほどの勝ち方をした)総理大臣が官僚に負けたのなら、選挙をやる意味がなくなってしまう。
◆もはや、我が国は野党が存在しない国
もはや、我が国は野党が存在しない国である。民主主義において、「選挙に勝った総理大臣が次の選挙まで何をやっても良い」のは健全な姿である。ただし、二つの条件がある。一つは少数派にも言論の自由が与えられていること。もう一つは、再挑戦の機会が与えられていること。少数派に次の選挙で多数派となるよう説得する機会が与えられていることだ。今の多数が永遠ではないとの緊張感によって、多数派は常に少数派への説得を行う義務が生じる。ところが、1955年以後の日本政治は、第二党が弱すぎた。しかも、質も悪すぎた。だからパヨクなのだ。
歴代野党第一党が弱すぎたので、二大政党ではなく、1.5大政党制と言われ続けた。
今回の総選挙は、この1.5大政党制を一掃する好機だと捉えるべきではないか。民意は高市自民党の主張が正しいと支持したが、その正しさが永遠であるとするならば、選挙をやる必要はない。今こそ日本国民は「マトモな選択肢を二つ以上寄こせ」と要求すべきである。

