◆国連憲章でも自衛権は認められている

この憲章のいかなる規定も、国際連合加盟国に対して武力攻撃が発生した場合には、安全保障理事会が国際の平和及び安全の維持に必要な措置をとるまでの間、個別的又は集団的自衛の固有の権利を害するものではない。
この自衛権の行使に当って加盟国がとった措置は、直ちに安全保障理事会に報告しなければならない。
また、この措置は、安全保障理事会が国際の平和及び安全の維持又は回復のために必要と認める行動をいつでもとるこの憲章に基く権能及び責任に対しては、いかなる影響も及ぼすものではない。
武力侵攻は国連が許さず、だが初動を守るのは自国
つまり、どこかの国が戦争を仕掛けてきた場合は、国連は武力による国境変更は決して許さず、国連も安保理決議などの手続きが終われば、援軍に駆けつけてくれます。
ただ、安全保障理事会が動くまで、その国が自衛力で持ちこたえる必要があるのです。その間に占領されてしまっては元も子もないので、自助努力でなんとかしてほしいと訴えているのです。
だから、万が一、他国に攻め込まれてしまった場合は、国連や同盟国だけに頼らず、自衛する意識が必要なのです。現在の日本は、日米同盟が戦争の抑止力として大きな存在感を持っています。
◆ウクライナ侵攻の裏に日米安保 中立論こそ最大のリスク

日本には日米安保があるので断念し、最終的にはウクライナがターゲットになったと言われています。
現在でも「日米安全保障条約をやめて、武装して中立の立場を取れ。日本独自の路線を追求すべきだ」との声は極左や極右どちらからも上がっていますが、仮にアメリカとの同盟を日本がやめた場合、日本独力で太平洋方面まで守らなければなりません。
そうなれば、世界中、見渡す限りが敵だらけとなり、第二次世界大戦時のABCD包囲網の二の舞になる。極めて非現実的な話であり、それは日本にとって非常にリスキーな状況でしかありません。
〈文/上念 司〉
【上念司】
1969年、東京都生まれ。経済評論家。中央大学法学部法律学科卒業。在学中は創立1901年の弁論部・辞達学会に所属。日本長期信用銀行、 臨海セミナーを経て独立。2007年、経済評論家・勝間和代氏と株式会社「監査と分析」を設立。取締役・共同事業パートナーに就任(現在は代表取締役)。2010年、米国イェール大学経済学部の浜田宏一名誉教授に師事し、薫陶を受ける。リフレ派の論客として、『日本経済防衛計画』(扶桑社)、『経済で読み解く日本史 全6巻』(飛鳥新社)、『財務省と大新聞が隠す本当は世界一の日本経済』(講談社+α新書)など著書多数。テレビ、ラジオなどで活躍中。

