
家族が亡くなったとき、絶対に忘れてはならないのが「未支給年金」の請求です。年金は後払いのため、誰でも数ヶ月分のもらい残しが必ず発生するうえ、受給を繰り下げていた場合は最大1,000万円に達するケースもあります。本記事では、服部貞昭氏による著書『東大卒のファイナンシャル・プランナーが教える 届け出だけでもらえるお金大全——一生トクする!セーフティネットのお金事典』(自由国民社)より一部を抜粋、編集し、未支給年金の手続きはもちろん、住宅ローンの免除や医療費の還付などの「故人がもらい残したお金」について解説します。
「未支給年金」は必ず発生する
故人が亡くなったとき、絶対に忘れずもらうべきなのが、故人がまだもらっていない年金(未支給年金)です。故人が繰り下げ受給を選択していて、まだ年金をまったくもらっていない場合は、場合によっては、1,000万円以上にも達することもあります。
年金は後払いであり、年6回、偶数月の15日に、その前月までの2ヶ月分が支払われます。たとえば、2月分と3月分が4月15日に、年金受給者の口座に振り込まれます。
年金は、死亡した月の分まで受け取ることができますが、後払いですので、まだ支払われていない(未支給)年金が必ず発生します。たとえば、4月5日に亡くなったら4月分まで年金が支給されます。亡くなった時点では、2月分、3月分、そして4月分が未支給の状態です。
この未支給年金は請求すれば遺族がもらうことができます。
未支給年金をもらう権利があるのは、故人と生計を同じくしていた人です。複数人いるときは、次の順番で権利があります。
1. 配偶者
2. 子
3. 父母
4. 孫
5. 祖父母
6. 兄弟姉妹
7. それ以外の3親等内の親族
同じ順番の人が複数人いる場合は、金額を分けますが、誰か代表を1人決めてその人が請求して受け取ります。
[図表1]未支給年金をもらえる人
未支給年金は、相続財産ではなく、遺族が受け取る権利を持っているお金です。そのため、受け取った年金には相続税はかかりませんが、受け取った人の一時所得となります。一時所得には、特別控除額50万円がありますので、受け取った年金とその他の一時所得の合計が50万円以下であれば確定申告は不要です。
故人が亡くなったら、年金受給停止の手続き(後述)が必要ですが、その手続きと同時に行います。
【届け出先】 最寄りの年金事務所
【添付書類】
・受給権者死亡届(報告書)
・未支給年金.未払給付金請求書
・亡くなった方の年金手帳.年金証書
・戸籍謄本(亡くなった方との身分関係を証明する書類)
・亡くなった方の住民票除票
・請求者の世帯全員の住民票
・請求者の通帳のコピー
・請求者の身分証明書 など(具体的な書類については、届け出先の指示に従ってください)
【期限】 故人がその年金を受け取る権利が発生したときから5年以内
忘れてはいけない「年金受給停止」の手続き
年金はその人が生存中にもらえるお金です。死亡した月の分はもらえますが、それ以降の月の分はもらえません。年金をもらっている人が亡くなったら、年金受給を停止する手続き(受給権者死亡届の提出)を必ずする必要があります。厚生年金は死亡後10日以内、国民年金は死亡後14日以内です。
この手続きをせずに、故人の口座に年金が振り込まれ続けた場合、その年金は後で返金する必要があります。もし、遺族が故人の死亡を故意に隠して年金をもらい続けた場合は、不正受給となり、刑事罰を受ける可能性もあります。
遺族の方は、別途、遺族年金をもらえますので、必ず年金受給停止の手続きをしましょう。
