金(ゴールド)価格の値動き荒いが…金の価値は「不変」と言えるワケ【ウォール街歴40年の金融戦略家が解説】

金(ゴールド)価格の値動き荒いが…金の価値は「不変」と言えるワケ【ウォール街歴40年の金融戦略家が解説】

金のドル建て価格の急落は「金市場の価格操作」の可能性も

関連ニュースもないのに金のドル建て価格が急落するときは、金市場で価格操作が行われていると考えて間違いない。この結論を裏付ける統計的・事例的・法科学的証拠もある。金価格の操作は今に始まったことではない。

1960年代のロンドン・ゴールド・プール(訳注・ロンドン金市場における金価格の投機的な変動とそれに伴う混乱を防ぐため、金価格を人為的・計画的に調整することに合意した欧州8カ国の中央銀行間の制度)による金の放出や、1970年代後半のアメリカ政府とIMFからの金の放出もそうだ。最近では、2010年にIMFが400トンの金を売却し、価格の上昇を阻害した。最近の学術的研究でも価格操作の証拠が示されている。価格操作は実際に行われているのだ。

中央銀行の目標が金価格の無秩序な動きを防ぐことだとしたら、操作をするのは金価格の上昇時だけでなければならない。デフレなどのファンダメンタルズの要因で金価格が下がっており、中央銀行が軟調な価格を望んでいる場合には、望みどおりに推移しているため価格操作の必要はない。

価格操作が実際に行われるのは、金価格が堅調で、さらに高値を超えそうなときだ。例えば、2011年8月、金価格が1オンス2000ドルに急速に近づいた。2000ドルというのは重要な心理的攻防ラインであり、そこを突き抜けて大きく上昇する可能性があったため、中央銀行は価格を押し下げるために並々ならぬ努力をしなければならなかった。

ジム・リカーズ

APJ Media 合同会社

編集長/地政学者/経済学者/弁護士

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