京都で和菓子を制作する〈御菓子丸〉が、四季折々の寺社仏閣の風景を、独創的な菓子と文とで表現。今回は、城南宮の三草善哉(みくさぜんざい)を紹介します。

京都で和菓子を制作する〈御菓子丸〉が、四季折々の寺社仏閣の風景を、独創的な菓子と文とで表現。今回は、城南宮の三草善哉(みくさぜんざい)を紹介します。


京都で和菓子を制作する〈御菓子丸〉が、四季折々の寺社仏閣の風景を、独創的な菓子と文とで表現。京都の風景に思いを馳せたくなる、美しい一皿を紹介します。

 

 一年の無病息災を願って、またお正月で食べすぎた胃を休めるため、1月7日には七草粥を食べる風習がある。春の芽吹きを体に取り込み、人日を祝う。人日とは古来の中国で人を大切にする日とされ、また日本では若菜摘みをする時季とも重なって、この風習が生まれたという。

 京都市伏見区に位置する城南宮では旧暦の正月に近い2月11日に七草粥が振る舞われる。「唐土の鳥が 日本の土地に 渡らぬ先に 七草なずな テッテッテロロロ……」と囃子歌と共に食す七草粥はとても楽しい。七草粥をいただいて心身を整え、疫病や災厄に遭わないように祈願する。

 御菓子丸では七草から小豆に風味の合う草を三つ選んで、善哉(ぜんざい)に添える。セリ、ナズナ、ハコベ、それぞれをペースト状にし、白玉の中に入れる。白玉を食むと、中から緑色のペーストが出てくるという仕組み。一つずつの草の風味を味わうことができるので、この草はこんな味だったんだと体感することができる。ふっくらと炊き上げた小豆の風味に乗せた三草を体内に入れ、今年も元気に過ごせますように。

城南宮七草粥の日は毎年2月11日、10時〜15時30分受付終了。七草粥1膳500円。
『城南宮』京都市伏見区中島鳥羽離宮町7 075−623−0846

photo : Yoshiko Watanabe
*『アンドプレミアム』2025年3月号より。

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和菓子作家 杉山早陽子

1983年三重県生まれ。老舗和菓子店での修業を経て、2006年から和菓子ユニット〈日菓〉として活躍。2014年から〈御菓子丸〉を主宰している。

配信元: & Premium.jp

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