「金が高値」「AI関連株が熱い」…テレビやネットで話題の投資商品に飛びつく人が〈絶好の買い時〉を逃すワケ

「金が高値」「AI関連株が熱い」…テレビやネットで話題の投資商品に飛びつく人が〈絶好の買い時〉を逃すワケ

投資の重要性は理解していても、リスクが気になり、怖くて一歩を踏み出せないという人は少なくありません。投資に「100%安全」は存在しません。しかし、「負ける確率」を極限まで減らす方法はあります。本記事では、永田智睦の著者『人生の選択肢を増やす資産スイッチ』(アスコム)より、今やプロとして投資に向き合う同氏が、リスクを抑えながら資産を増やすポイントを解説します。

投資に「100%安全」は存在しない

投資経験の有無にかかわらず「失敗が怖くて、チャレンジができない」という不安は、多くの人が持っています。

どんなに知識や経験を重ねても、投資に「絶対失敗しない」「100%安全」は存在しないことを、私も身を以て学んできたので、その気持ちは非常によくわかります。しかし、成功の反対は「何もしないこと」、これに尽きます。

ここで、恥ずかしながら私の失敗談をお伝えさせてください。プロとして投資に向き合う今でも「戒め」として心に刻んでいる経験です。それは、FX(外国為替証拠金取引)でのことです。

利益を求めすぎると落とし穴にハマる…投資“惨敗”から得た教訓

今でこそ、初心者の方には「レバレッジ1倍」の活用をおすすめしていますが、当時は私もまだ経験が浅く、「値動きなんてだいたい予測がつくだろう。レバレッジ次第で、短期間に大きな利益を出せるはず」と考え、少々無理をしながら、高いレバレッジをかけた取引を繰り返していたのです。

結果は、言うまでもなく惨敗でした。当時、円高が急激に加速し、ドル円が大きく動いたことで膨大な損失を被ってしまったのです。

後から考えれば、「あの国の金利が上がったからだろう」「経済指標がよかったから」などと変動要因の見当はつけられますが、渦中ではそうしたことを冷静に読み解く余裕はありません。そもそも実際、為替の変動は経済や政治、人々の心理などさまざまな要因が複雑に絡み合って起こるもの。どのような金融のプロであっても、「これが要因でした」と断定することは不可能なのです。

私は、この手痛い失敗から2つの重要な教訓を得ました。

1.短期的な利益だけを追い求めると、必ず大きな落とし穴にハマる

2.成長性のあるもののみに投資をする

これらはFXに限らず、全ての投資や運用に共通する教訓だと断言できますし、レバレッジをかけて投資を行う方には、特に胸に刻んでおいていただきたいと思っています。

「時間」を味方につけることが、資産を増やす近道

では、予測が難しい投資の世界で、どうすれば失敗のリスクを減らして資産を増やしていけるのか。その答えの1つが、「時間を味方につけること」です。

短期的な価格の上昇や下落に一喜一憂するのではなく、年単位、時には数十年単位と長い目で資産の成長を見守っていく。遠回りのようで、実はこの姿勢がゴールに辿り着くための強力な武器となります。

例えば、私が10年前に初めてフィリピンで購入した不動産は、現在では元値よりも大幅に値上がりし、約2.5倍になっています。

もちろん、この10年の間にはフィリピン経済にもさまざまなアップダウンがありました。しかしながら、長期的に見れば、経済成長によって資産価値は着々と上昇したのです。また、時間を味方につけてコツコツ不動産を買い続けている人にとっては、短期的な多少の値下がりは問題にならず、むしろ購入単価を抑えられるチャンスになることもあるでしょう。

短期で勝負すれば負けることもありますが、中長期でじっくりと構えていれば、負ける確率は格段と低くなります。時間は最大の味方になる。私は失敗経験から、その事実を学ぶことができました。

不本意な売却を避けるために重要な「投資資金」の備え

ただし、この「時間」という武器を活かすには、必要な条件が2つあります。1つは、「相場が悪い局面でも売らずに持ち続ける選択を取れるかどうか」です。

長期投資で失敗する大きな要因は、株価や評価額が暴落した際に「もっと下がってしまったらどうしよう」といった恐怖や焦りに駆られてつい売ってしまうこと。あるいは、急な出費でやむなく資産を切り崩すといった不本意な売却なのです。それでは、時間を味方につけることはできません。

中には損切りを早く行うという、プロの投資家の方もいるでしょう。日々トレードしているような人たちはそのマインドでいいと思いますが、そうではない人たちが損切りのタイミングを見極めるのは非常に難しいと思います。

そこで大切になってくるのが、「日々の生活費や万一の備えとなるお金は、投資に使うお金とは別に備えておく」ことです。それはすなわち、いつでも現金化できる流動性の高い資産を確保しておくことであり、長期投資を成功させるための生命線とも言える重要なことなのです。

特に、不動産のように売却に時間のかかる流動性の低い資産を持つ場合、ポートフォリオ全体で流動性のバランスを管理することが、より一層重要となります。

話題になった時点で、投資の「絶好のタイミング」は過ぎている

もう1つの条件は、「世間で良いと言われていることに踊らされず、冷静に疑い研究する」こと。例えば、最近はテレビやネットで、「金やプラチナが高値になっている」「AI関連企業の株が熱い」などと盛り上がっていますよね(2025年8月現在)。

しかし、だからといって必ずしもみなさんにとっての「買い時」とは限りません。来年も同じように伸びるかはわからないですし、そもそも世間で話題になった時、その期待はすでに価格に反映されており、今の価格がピークだというケースも多いのです。つまり、「投資するタイミング的にはもう遅い」というわけです。

ブームに乗って、話題の投資商品に思考停止で飛びついてしまうのは、投資で失敗する典型的なパターンだと考えてください。投資に使うのは、他の誰でもない、あなたのお金なのです。

「みんなは良いと言っているけれど、本当にそうなのかな?」「どれくらいの期間、投資金額なら、途中で価格が下がっても耐えられるだろうか」。このような冷静な目で疑い、考えること。そうして時には失敗する経験からも、投資判断を行う「ものさし」は着実に養われていくのです。

大きなダメージを受けない措置を講じた上で、投資につきものである失敗は、ぜひ「学び」や「自己成長」の機会と前向きに捉えてみてください。そして、「時間」と「冷静な思考」を味方にしながら、資産を賢くスイッチしていきましょう。それが、私の失敗からみなさんにお伝えしたかったことです。

永田 智睦

API Gateway株式会社 代表取締役

宅建士/FP1級技能士/日本FP協会CFP認定者

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