
今まで運用してきた資産を取り崩しはじめる時期は、ライフプランに応じて決めることが重要です。とはいえ毎月いくら、どうやって取り崩せばいいのか不安な人も多いでしょう。本記事では、『増やしながらしっかり使う 60歳からの賢い「お金の回し方」』(KADOKAWA)より一部抜粋・再編集して、著者でFPの横田健一氏が、運用で増やしたお金を有意義に使うための出口戦略について解説します。
運用資産の取り崩しタイミング
取り崩しをはじめる時期は、いつまで働くかや公的年金などをいつから受け取るかなど、ライフプランに応じて自由に決められます。
あなたが、60歳でリタイアするなら、60歳からの取り崩しも視野に入ります。あるいは65歳まで働き、その間は給与で生活できるようなら、取り崩しは65歳からでいいでしょう。「自分は60代の間は企業年金や個人年金などが受け取れるから70歳から取り崩す」という方はそれでもいいと思います。
投資する時期が早いほど、取り崩しをはじめる時期が遅いほど、長く運用することができ、増えていく可能性が高まります。ただし、あまりに先送りすると使う時期を逃してしまいかねないので、本書では65歳からの取り崩しを目安として考えます。
何歳まで取り崩すかについての一つの目安は平均余命です。
平均余命をもとに60歳の方の平均寿命を計算すると男性83.7歳、女性88.9歳となります。保守的に取り崩し期間を長くとってしまうと、1年あたりの取り崩し額が小さくなってしまうため、結果的にお金が残ってしまうリスクが高くなります。
生活費は年齢を重ねるごとに減っていく傾向があることも踏まえ、当初は85歳までの取り崩し期間を設定しておくのが一つの選択肢になります。65歳スタートなら85歳までの20年間になります。世界株ファンドで運用すれば20年後にもお金が残っている可能性も十分あります。
年の差夫婦は取り崩し期間を分ける
ご夫婦の場合には注意点があります。統計的には女性の方が長生きであり、加えて妻の方が年下である場合、夫が85歳まで取り崩す想定では、その後、妻が使えるお金が減ってしまう可能性があることです。
とはいえ、年上の夫が65歳のときから年下の妻が85歳になるまでの年数にしてしまうと、1年に取り崩せる額が小さくなってしまいます。そこで、年の差が大きい場合や、より慎重に考えたい場合には、期間を二つに分けて考えるのも手です。
たとえば投資できる額が1000万円なら、500万円は20年で取り崩し、残り500万円は25年で取り崩す、などです。20年経過後は取り崩せる額が少なくなりますが、いずれかが亡くなると生活費も医療や介護のお金も減りますので、大きな問題はないでしょう。
