「社畜以下」「掃除係扱い」再雇用を選んだ60代の絶望。“現役時代”の年収は最高で約1200万円、現在は半分以下

「社畜以下」「掃除係扱い」再雇用を選んだ60代の絶望。“現役時代”の年収は最高で約1200万円、現在は半分以下

◆「老害扱いに耐えきれず辞表を叩きつけた」

日本人に忍び寄る[5つの危機]
自ら“アルコール依存症”だと語る元出版社勤務の高岡さん。居酒屋で大ジョッキをあおりながら、雑誌編集者時代とのギャップを嘆く
大手出版社勤務の高岡剛さん(仮名・63歳)は61歳での定年後、子会社の不動産管理会社に再雇用されたが、労働環境に耐えきれず、自ら退職した。

「金融やメーカーの場合、最低でも現役時代の5割はもらえる。しかし、斜陽産業の出版系は、3分の1、下手すれば実質的に4分の1です。私は住宅ローンが70歳まであるうえ、息子は来年大学受験。働き続けるしかない。

でも、不動産管理業務とは名ばかりで、要は倉庫の掃除係。簡単な業務とはいえ勝手がわからないことを年下の上司に聞くと、老害呼ばわりされました。社畜以下の扱いです。こんなことなら経済苦のほうがマシだと思って辞表を叩きつけた。後悔しても仕方ないので、今は求職中です」

◆定年後の再雇用は“意識変革”が必須

高齢者の就労問題に詳しいリクルートワークス研究所研究員の坂本貴志氏は、定年後の再雇用は“意識変革”が必須だと語る。

「法改正によって65歳まではよほど問題がない限り、これまでの会社で働くことができるようになり、年金受給まで一定の収入を得る道ができた。一方で、従業員の職務やその成果に見合った報酬体系を設計できていない企業もまだあります。

従業員側としては、自社の人事制度を正確に理解したうえで、長く勤めてきた会社で働き続けるか他社に移るかを選択する必要があります。これまでの会社で働き続けるのであれば、上司としてのプライドを捨て、目の前の実務にいかに向き合うかを意識する必要があるでしょうね」

人生最後のアップデートの成否が老後を左右するのだ。

【リクルートワークス研究所 坂本貴志氏】
リクルートワークス研究所研究員。一橋大学国際公共政策大学院を経て、厚生労働省入省後、民間で活躍。高齢者の就労問題等を研究
日本人に忍び寄る[5つの危機]
リクルートワークス研究所の坂本貴志氏
※週刊SPA! 2月17日号より

取材・文/週刊SPA!編集部

―[日本人に忍び寄る[5つの危機]]―

配信元: 日刊SPA!

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