税金・保険料・公共料金…もし支払えなくなったら?差し押さえやブラックリスト入りを回避する鉄則は「支払う意思」と「事前申請」【東大卒FPが解説】

税金・保険料・公共料金…もし支払えなくなったら?差し押さえやブラックリスト入りを回避する鉄則は「支払う意思」と「事前申請」【東大卒FPが解説】

税金や保険料、公共料金がどうしても支払えないときは、絶対に放置してはいけません。「支払う意思」と「支払い期限」を能動的に伝えることが基本の作法です。本記事では、服部貞昭氏による著書『東大卒のファイナンシャル・プランナーが教える 届け出だけでもらえるお金大全——一生トクする!セーフティネットのお金事典』(自由国民社)より一部を抜粋、編集し、税金や公共料金が支払えない場合の対処法について解説します。

もし税金が払えなくなったとしても放置は厳禁

経済的に生活が苦しくて、税金・社会保険料や公共料金が払えない場合、それぞれの機関や企業に相談すると、支払いを猶予(延期)してもらったり、金額を減額してもらえたりことがあります。

一番やってはいけないのは、払えないからといって放置することです。最悪の場合、銀行口座などの財産を差し押さえられたり、電気・ガスなどを止められたりします。

払えないからといって黙っていれば免除になるわけではありません。本当に払えなければ、徴収する機関も強引にお金をとることはできませんので、必ず相談するようにしましょう。

払えないときに絶対に放置してはいけないものが税金です。税金を払えないからといって期限を過ぎて滞納すると、最大8.7%(2025年時点)の延滞税が発生します。フリーランス・個人事業主の場合は、確定申告をしないと、最大30%の無申告加算税を課せられます。

たとえ自己破産しても免除されないのが税金です。以下の条件に当てはまる場合は、最大1年間、納税の猶予を受けられます。その間に、分割して納税します。延滞税がある場合は、免除または軽減されます。

・以下のようなケースに該当すること。

① 納税者本人がその財産について、災害等を受け、又は盗難に遭った。

② 納税者本人または生計を同じにする家族が病気にかかった。

③ 納税者の方が営む事業について、やむを得ず休廃業をした。

④ 納税者の方が営む事業について、利益の減少等により、著しい損失を受けた。

・①~④があることにより、一度に納付することができないこと。

・申請があること。

・原則として、担保の提供があること(猶予を受ける金額が100万円以下、猶予を受ける期間が3ヶ月以内のときは、担保は不要)。

基本的には、災害、盗難、病気、失業、やむを得ない休廃業、利益減少などが理由になります。投資やカジノで損をした等は理由として認められない可能性がありますので、注意しましょう。

国税(所得税・法人税・消費税など)、地方税(住民税・事業税・固定資産税・自動車税など)のほとんどが納税猶予の対象になります。

【届け出先】

国税:お住まいの地域を管轄する税務署

地方税:お住まいの市区町村の税務課

【添付書類】

・納税の猶予申請書

・資産および負債の状況、収入および支出の状況を明らかにする書類

・担保提供に関する書類

・災害などの事実を確認できる書類 など(具体的な書類については、届け出先の指示に従ってください)

「国民健康保険料」や「国民年金保険料」も払えなければ申告を

国民健康保険料も、払えないときに絶対に放置してはいけないものの一つです。税金と同様に、国民健康保険料も滞納し続けると延滞金が発生し、財産の差し押さえを受ける可能性が高いです。さらに、自己破産しても免責されません。

国民健康保険料の支払いの時効は2年ですが、それまで自治体がまったく支払いの催促をしないことはほぼありえませんので、時効を期待してはいけません。国民健康保険料・介護保険料・後期高齢者医療保険料が払えないときは、市区町村の窓口で相談すれば、支払い猶予、減額、全額免除を受けられます。

自治体は住民の収入(所得)を把握していますので、前年の収入(所得)が少ないときは、均等割額が最大7割自動的に減額されます。特に申請する必要はありません。

一方、災害、病気、失業、廃業などで生活が非常に困難になり、預貯金など利用できる資産も少ないときは、支払い猶予、減免(減額または全額免除)をしてもらうことができます。新型コロナウイルス感染症が流行した際に、休業で収入が減り減免を受けた人が多くいましたが、現在でもその制度はあります(自治体により内容は変わっている可能性があります)。

どの程度、減額または免除されるかはケースバイケースですが、払えない理由をしっかりと説明できれば、現実的な対応をしていただけるようです。私の知人も、国民健康保険料を払えずに市区町村の窓口で相談したところ、一部の保険料の支払いが免除されました。

【届け出先】 お住まいの市区町村の国民健康保険の窓口

【添付書類】 

・保険料減免申請書

・当年および前年の収入が確認できる書類など(具体的な書類については、届け出先の指示に従ってください)

国民年金保険料も国民健康保険料と同様に、払えないときに放置してはいけません。

学生の方は「学生納付特例制度」で支払いが猶予されますので、必ず申請しましょう。10年以内に追納すれば、将来もらえる年金額に影響がありません。

生活保護を受けている人や、障害基礎年金をもらっている人は、「法定免除制度」で支払いが免除されます。災害、病気、失業、廃業などで生活が困難な方は、特例で、支払い猶予、減額または全額免除をしてもらうことができます。

【届け出先】 日本年金機構

【添付書類】 

・国民年金保険料免除・納付猶予申請書

・失業・倒産・廃業などを証明する書類など(具体的な書類については、届け出先の指示に従ってください)

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