アメリカの有名な不動産業者から紹介されたのに「写真は真っ白な新築、現地に行ったらボロボロの廃屋でした」…海外不動産投資で日本人を食い物にする悪質業者の“詐欺まがい”行為

アメリカの有名な不動産業者から紹介されたのに「写真は真っ白な新築、現地に行ったらボロボロの廃屋でした」…海外不動産投資で日本人を食い物にする悪質業者の“詐欺まがい”行為

日本の国際競争力が弱まり、円安も進む昨今、資産の一部を海外へ移す分散投資への関心が高まっています。しかし、それを逆手に取ったトラブルも少なくないことをご存じでしょうか。中でも、物理的な距離があり、現地を容易に確認できない海外不動産投資においては、詐欺まがいの被害が現実に起きています。本記事では、永田智睦氏の著書『人生の選択肢を増やす資産スイッチ』(アスコム)より、海外不動産投資を行ううえでの注意点と悪質業者を嗅ぎ分けるポイントを紹介します。

海外不動産投資のよくある“失敗”

「資産スイッチ(※)」の第一歩として、海外に目を向けることの重要性、そして海外不動産投資の可能性に未来への大きな希望が膨らんだ方もいらっしゃるかもしれません。

※著者は、今のあなたの資産の一部を、日本以外の国の資産へスイッチ(切り替え)して分散させる、非常にシンプルな考え方を資産スイッチと呼んでいる。

しかしながら、海外不動産投資を始めるにあたっては、そうした希望を食い物にしようと悪事を働く人が存在することもお伝えしなければなりません。

例えば、有名なアメリカ不動産の取扱業者でさえ、周囲の方からこんな話を聞いたことがあります。

「業者から真っ白な外壁の綺麗な新築戸建て住宅の写真を見せられ、感激して契約しました。それなのに、実際に現地に行くと外壁は汚れて老朽化も目立つ、木造の今にも壊れそうなボロボロの家だったんです」。

私はこの話を聞いた時、容易に現地を見に行けない状況を逆手に取った「詐欺まがいの行為」だと感じました。残念ながら、こうした業者による悪質な行為は後を絶ちません。だからこそ、業者選びには十分な確認が必要なのです。

一方、こんな話もあります。

「現地に行った際、写真通りの綺麗な家で、購入手続きや登記も問題がなく完了しました。でも、メンテナンスを怠った結果、15年後にボロボロになってしまったんです」

せっかくの不動産が劣化してしまうという残念な結果ではありますが、こちらは詐欺ではありません。前者は「詐欺まがい」ですが、後者は「投資の失敗」と言えるでしょう。なぜなら後者は、「必要な手立てを講じていれば防げた事態」だからです。この両者の境界線を理解しておくことは非常に大切です。

まれに後者の状況にもかかわらず、ネガティブな結果を全て「詐欺だ!」と主張する人がいますが、後者はあくまでも自己責任の領域で起こったことです。繰り返しになりますが、購入者自身が気をつけていれば十分防げることですし、お付き合いする業者がしっかりと機能していれば問題なかったはずです。

また、詐欺については投資家がその手口について理解し、しっかり警戒しておくことです。詐欺師の手口は非常に巧妙で、100%防げる方法は残念ながらありません。

高利回り、過大な言い回し…「悪質業者」の3つの特徴

しかし、できるだけワナにかからないために、最低限、気をつけたほうがよいことを3つ紹介したいと思います。

1.あり得ないほどの高利回り

「おいしい話には裏がある」というのは本当で、「このご時世にこの利回り?」と驚くような数字が出てきたら黄信号。さらに、「〇〇%の利回りを保証します」といったワードが聞こえてきたら赤信号だと思ってください。

投資の世界に「絶対」は存在しませんし、明言すること自体、日本の法律上ではNGのケースがほとんどです。

2.業者が自分を大きく見せようとする

自分や会社のことを大きく見せて、自分や自分の会社は信用できると思わせてきます。実際はほとんど素人同然というケースもあります。

「うちの会社は営業力があるからいつでも利益を出して売却できる」「自分は今まで〇〇億稼いできた」「あなたのために十分なおもてなしをします」などと自己を過大に主張して、契約を過度に急がせることは危険な兆候です。

魅力的な情報ほど「他の人に取られる前に……」と飛びつきたくなりますが、それでは詐欺師の思うツボ。どんなに惹かれても、一度持ち帰り冷静に考える勇気を持ちましょう。「現地によく行くから、何でも手続きできる」「今まで100回以上現地に行った」「〇〇億円の売上を出している」といった言葉にも要注意です。

3.実態が見えない

これは2に付随しますが、特に現地の業者とのネットワークについてです。

どんなに近い国でも、海外不動産は自国の不動産のように気軽に見学することができません。管理や手続きもその物件を取り扱う業者に依頼することになります。そのため業者選びが重要なのですが、その実態や現場の状況が見えないこともしばしばあります。

業者を選ぶ際は、「現地や日本に拠点があるか?」「豊富な取引実績や長い経験、顧客からの高評価はあるか?」「必要な資格や許認可を得ているか?」「契約について丁寧に説明してくれるか?」など、しっかり確認し、納得した上で取引を行うか判断しましょう。

「資産スイッチ」は、時にチャレンジが必要ですが、決して無謀なものであってはなりません。基本的な知識や心構えを念頭に置き、あなたの資産を守り育てることを第一優先に考えながら、進めていただければと思います。

永田 智睦

API Gateway株式会社 代表取締役

宅建士/FP1級技能士/日本FP協会CFP認定者

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