そして今、静かに広がっているのが“スピ沼”という新たなリスクだ。神社ブームの陰で、エセ科学や陰謀論と結びついた不安商法が拡大し、家計や家庭を壊すケースも相次ぐ。当事者の証言から、その実態に迫った。
◆神社ブームが勃興
![日本人に忍び寄る[5つの危機]](https://assets.mama.aacdn.jp/contents/210/2026/2/1771201972417_qfb2tk82cnc.jpg?maxwidth=800)
「銭洗い弁天といえば鎌倉が有名ですが、近年は東京でも同じことができると外国人観光客に人気が出ていたんですよね。それがマツコ・デラックスさんのテレビ番組で紹介されたり、ゲッターズ飯田さんが薦めたりして、今年に入ってからは日本人まで来るようになりました」
参拝とお札やお守りを買う列は別になっているが、夕方になっても列は途切れない。
「特別なお守りの授与がある日は、早朝から驚くほど人が来ていますね」
◆エセ科学スピ志向がコロナ禍を経て増加
物価高は止まらないのに給料は上がらない――そんな社会不安もあり、“神頼み需要”は高まるばかりだ。神社参拝程度なら問題ないが、過激なスピリチュアルに傾倒するとなれば話は違ってくる。マルチ商法やビジネススピリチュアルに詳しいフリーライターの山田ノジル氏が警鐘を鳴らす。「震災後にもパワースポットや神社ブームがありましたが、昨今はさらに陰謀論などと接続しつつ、オカルトやスピリチュアルが盛り上がっているように見えます。特にコロナ禍以降は、ワクチン懐疑派周辺などで、スピリチュアルとエセ科学、ナショナリズムがごった煮にされ、排外主義的な政治運動に利用されるケースが目立っています。典型例が、参政党の発信です」
確かに、YouTubeをはじめSNSで「運気アップ」や「波動」などのキーワードで検索すると、正体不明な人物の動画が何百万回と再生され、感謝の言葉や肯定的なコメントで溢れている。小学生の子供を持つ歯科医の板谷繁明さん(仮名・48歳)の妻も、そんな一人だった。
「妻は子供のアレルギーやアトピーに悩んでいたのですが、コロナ禍で腸活にハマったんです。その頃から、『波動』や『周波数』に傾倒し、周りの話に一切耳を傾けなくなった」

