
亡き父から受け継いだ500万円を「銀行なら安心」と外貨建て保険に預け、200万円の含み益に満足していたケイコさん(仮名・45歳)。しかし、同じ元手でネット証券を利用した妹との間には、わずか6年で400万円もの資産格差が生まれていました。本記事では、真面目な人ほど陥る「窓口の罠」と、妹との間に生まれた資産格差の正体をFPの桐山昌也氏が解説します。
銀行が勧めた外貨建て保険で「200万円の評価益」
「やった……! お父さんが残してくれた500万円が、700万円になってる!」
ケイコさん(仮名・45歳)は、6年前に契約した外貨建て保険のマイページを食い入るように見つめていました。スマートフォンの画面には、「7,000,000円」という数字が表示されています。
ケイコさんは大阪の商社で働く事務職。契約社員から正社員に登用され、年収は450万円。日々コツコツと真面目に働くケイコさんにとって、この「200万円の評価益」は、自分の選択が正しかったことを証明してくれているように見えました。
「株なんてギャンブルか詐欺」
ケイコさんは長年「アンチ投資派」でした。ネット上の投資情報はすべて「胡散臭いノイズ」としてシャットアウトしてきたのです。
だからこそ、5年前に父の遺産500万円を手にしたとき、ケイコさんが迷わず向かったのは「銀行」でした。
「銀行が勧めてくれるものなら、変な商品じゃないはず」 そう信じて契約した「米ドル建て一時払い保険」。それが1.4倍に増えた現実に、ケイコさんはひとり満足していました。
しかし、この「安心」を得るために、ケイコさんがどれほど知らないうちにコストを払い続けていたのか。その残酷な事実は、数日後、正月休みの実家でパート主婦の妹(41歳)が見せたスマホ画面によって突きつけられることになります。
父の遺産1,000万円を均等に相続した姉妹
姉妹がそれぞれ500万円を相続したのは、2019年のことでした。当時の日本はマイナス金利。
ケイコさんの選択
「ネット証券だのNISA、FXだの、よくわからないものは怖い」。銀行の窓口で勧められるまま、死亡保障がついた外貨建て保険を契約しました。独身のケイコさんに死亡保障は不要な気はしましたが、「銀行が扱っている真っ当な商品」というお墨付きが、何よりの安心材料だったのです。
妹の選択
「私は数字が苦手だから」と、以前から資産運用をしていた夫に相談。夫のアドバイスは「銀行の窓口商品は手数料が高すぎる。ネット証券でコストを抑えて色々持てばいい」というシンプルなものでした。
