庭が甘い香りの花の絨毯に? こぼれ種でも増える「スイートアリッサム」を長く咲かせる育て方

庭が甘い香りの花の絨毯に? こぼれ種でも増える「スイートアリッサム」を長く咲かせる育て方

スイートアリッサムの栽培環境

アリッサム
Lana B/Shutterstock.com

日当たり・置き場所

スイートアリッサムは、日当たりのよい場所を好む植物です。よく日が当たる場所での管理が基本ですが、夏の強い日差しや西日は避けるようにしましょう。

置き場所は湿度が低く乾燥ぎみの環境が適しています。風通しがよく、水はけのよい場所がおすすめです。

耐寒性・耐暑性

スイートアリッサムの耐寒性・耐暑性は、一年草タイプは弱く、多年草タイプは普通程度です。高温多湿を苦手とするため、どちらかといえば耐暑性のほうが弱いといえるでしょう。

多年草の場合は、後ほど紹介する夏越し・冬越し対策をすることで、元気な状態を保てます。

スイートアリッサムの育て方のポイント

アリッサム
Tatyana Mi/Shutterstock.com

植え付けのタイミングと、高温多湿の夏に注意すれば、丈夫で育てやすいスイートアリッサム。ここからは、植え付け方法のほか、水やりや肥料、病害虫対策など、栽培のポイントを伝授します。   

用土

スイートアリッサムの用土づくりは水はけのよさがポイントです。水はけがよければ土質にそこまでこだわらなくても問題ありません。

ただし、酸性の土壌には、1mfあたり70g程度の苦土石灰を混ぜ込んでおきましょう。腐葉土も入れておくと、よく根を張ります。

鉢植えの場合は赤玉土と腐葉土、川砂を6:3:1で配合しておきます。

水やり

砂礫地に自生する植物だけに、やや乾いた状態を好むスイートアリッサム。地植えの場合は、水やりの必要はほとんどなく、雨が少ない季節のみ“気づいたらやる”程度がよいでしょう。鉢植えの場合も、鉢土の表面が完全に乾くのを確認してから水やりを。鉢底から水が流れ出るまでたっぷりと与え、次は乾燥するまで与えないのがコツです。とくに梅雨から夏にかけては、根腐れを起こしやすいので、水やりは控えめに。 

肥料

どちらかといえば多肥を好むので、植え付けの際に元肥として緩効性の固形肥料を用土に混ぜておきましょう。さらに、開花期にはリン酸やカリの配合が高めの液体肥料を、1週間から10日に1度の目安で与えると、花が長く楽しめます。

注意する病害虫

病害虫
アブラナ科の植物を食害するコナガの幼虫と成虫。Tomasz Klejdysz/Shutterstock.com

春から秋口はアブラムシやアオムシ類がつきやすいので、オルトラン粒剤などを月2回程度、表土にまいて予防しましょう。アブラナ科につきやすいコナガの幼虫も葉を食害するので、発生初期に薬剤で対処します。

また湿度が高い季節には、白いカビが生えて茎が腐る菌核病も発生しやすくなります。下葉が黄変して株の勢いがなくなってきたら、菌核病の疑いが。放っておくと全体に広がり、やがて枯死してしまいます。病斑部を切り取り、ベンレート水和剤などで防除を。多湿の環境に発生しやすいので、早めに切り戻すなど、風通しをよくしておくと予防になります。 

スイートアリッサムの詳しい育て方

水やり
WDnet Creation/Shutterstock.com

苗の選び方

スイートアリッサムの苗を選ぶときは、葉や茎、根の状態をよく観察しましょう。葉に穴や変色がなく鮮やかな緑色であることや、茎が太くしっかりとしていること、根が黒や茶に変色しておらず白色であることが、主なポイントです。

植え付け・植え替え

植え付け
Satyrenko/Shutterstock.com

植え付けの適期は春と秋、霜の心配がなくなる3~4月、または暑さが落ち着く10月以降~11月中旬ぐらいまで可能です。

枝葉を伸ばして広がるので、株と株の間は20cm以上あけるように。根が弱いので、ポットから抜くときに根鉢を崩さないように細心の注意を。寄せ植えなどの場合も、あらかじめ植える場所を決めておき、設置後はなるべく動かさないようにしましょう。乾燥に強い植物ですが、根が定着するまではしっかりと水やりをします。

通常は一年草扱いのため、植え替えの必要はありませんが、スーパーアリッサムのように夏越しをさせやすい品種の場合は、下葉が枯れて草姿が乱れてきたら根詰まりのサイン。植え替えを行います。地上部を剪定して半分程度のボリュームに抑えたら、一回り大きな鉢に。根が傷むのを嫌うので、根鉢を崩さないように注意しましょう。

日常の手入れ

スイートアリッサムの開花期のお手入れで重要なのは、花がら摘みです。

咲き終えた部分を剪定することで栄養が偏らず、株の元気が保たれます。また、花がら摘みをすることで新しい芽がつきやすく、次の花が早く楽しめます。風通しのよい状態を保てるので、スイートアリッサムが苦手な多湿を避けられるのもメリットです。

剪定・切り戻し

アリッサムの剪定

開花期の剪定は、先端の花房が咲き終えた茎を選び、脇芽の出ている節の上で切り戻せばOK。花が満開になったときに葉が覆われすぎず、過湿による葉の変色などを防げます。

さらに、夏越し前にはより強めの切り戻しを。スイートアリッサムの苦手な高温多湿を防ぎ、夏越しさせやすい状態に整えられます。

開花期が終わり、草姿が乱れてきたら、草丈の1/2を目安に切り詰めましょう。そのままにしておくと茎が徒長して、バランスの悪い見た目になってしまいます。

“大株に仕立てて何年も楽しむ”ことができるスーパーアリッサムはもちろん、従来の一年草扱いの品種も、暑くなる前に剪定を行うことで、秋以降もう一度花を楽しむことができます。

適切なタイミングで剪定を行い、スイートアリッサムを長持ちさせましょう。

夏越し・冬越し

スイートアリッサムは高温多湿が苦手です。多年草の場合は特に、開花期が終わったら、涼しくやや日陰になる場所に移動しましょう。前項で解説したように、夏越し前には強めの剪定をしておきます。

冬は弱ってしまわないように、寒風や霜に当てないことが大切です。マルチングなどの防霜対策を行い、気温が氷点下になる場合は寒さをしのげる場所に移動しましょう。

増やし方

スイートアリッサムの種まき
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【種まき】

日本では一年草として扱われることの多いスイートアリッサム。一般的な増やし方は「種まき」です。発芽適温は15~20℃、寒くなる前にしっかりと根を生やしておきたいので、9~10月中旬頃までが播種適期とされています。直根性で細根が張りにくく、移植を嫌うので、育苗ポットに直接播くのがベター。

ポットに種まき用土を詰めたら、事前に吸水させておきます。種子はとても小さいので、2つ折りにした紙に乗せ、粉をまくように振りかけると、一カ所にかたまらずに全面に播くことができます。風で飛んでしまわないように、室内や風よけのある場所で行いましょう。

種まきしたポットは風通しのよい場所に置き、水やりを続けますが、種子が流れてしまわないように霧吹きなどで。1週間程度で発芽してくるので、葉と葉が触れ合うようになったら、間引きを行い、最終的に数株を残して育てます。

発芽後は日当たりのよい場所に移して、月1回程度、薄めの液肥を与えます。草丈が5cm程度になったら、定植が可能ですが、寒さにあたると枯れてしまうので、植え付けは3月以降がよいでしょう。なお、春播きも可能ですが、根張りが遅くなるため、秋播きに比べると開花期のボリューム感は劣ります。

【株分け・挿し芽】

本来、多年性植物であるスイートアリッサムは、株分けや挿し芽といった栄養繁殖で増やすこともできます。

根が弱いので、根土部分を分けての株分けではなく、茎を切って挿す「挿し芽」がおすすめです。

作業の適期は5月もしくは9月。生育の旺盛な茎を選び、5cm程度の長さに揃えて水に挿しておきます。用土は小粒の赤玉かバーミキュライトなど、肥料分を含まない種まきや挿し木専用の土も販売されています。ポットに詰めて十分に吸水させたら準備完了。数本をひとまとめにして挿しと、ボリュームのある株に育ちます。

明るい日陰で風通しのよい場所に置き、水を切らさないように管理しましょう。とはいえ、発根しやすい植物ではないので、成功率はあまり高くないでしょう。

スイートアリッサムが枯れる原因

スイートアリッサム
alybaba/Shutterstock.com

スイートアリッサムが枯れる原因としては、寒さや高温多湿などの気候、過湿による根腐れなどがあります。主な2つの原因について解説します。

気温

スイートアリッサムは、気温が原因で枯れることがあります。暑さや湿気に特に弱いため、あまりに気温が高い環境だと、多年草タイプであっても弱ってしまうでしょう。夏の直射日光や西日が当たらない場所での管理がおすすめです。

日本では一年草タイプのスイートアリッサムが多く出回っていますが、基本的に夏越しはできないと考えましょう。    

蒸れ・過湿

スイートアリッサムは、蒸れや多湿が原因で枯れることもあります。過湿の環境下では根腐れが発生しやすく、病害虫がつきやすいため注意しましょう。

梅雨~夏は高温多湿になるため、特に弱りやすい季節です。切り戻しを行ったり、蒸れにくい環境に移動することで、多湿をしのぎましょう。切り戻しを行い、株の風通しのよい状態にすることも大切です。

スイートアリッサムを育てて庭を華やかに彩ろう!

アリッサムの鉢植え
Layue/Shutterstock.com

真夏の高温期を除けば、3月から11月中頃までと、とても長い期間楽しめるスイートアリッサム。播種から育てた苗で、花壇を“お花畑”にしてみるのも素敵です。草丈が低く、大きく広がって花を咲かせる草姿は、プランターや吊り鉢、寄せ植えにしても映えます。好みや用途に応じて、お気に入りの品種を育ててみてはいかがでしょう。

Credit 文 / 3and garden

スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。「ガーデンストーリー」書籍第1弾12刷り重版好評『植物と暮らす12カ月の楽しみ方』、書籍第2弾4刷り重版『おしゃれな庭の舞台裏 365日 花あふれる庭のガーデニング』(2冊ともに発行/KADOKAWA)発売中!

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