中小企業M&Aトラブル、専門家を揃えても回避困難!?…買主の「過信リスク」と、デューデリジェンスの「実務的限界」【M&A弁護士が解説】

中小企業M&Aトラブル、専門家を揃えても回避困難!?…買主の「過信リスク」と、デューデリジェンスの「実務的限界」【M&A弁護士が解説】

デューデリジェンスレポートに依拠した判断の限界

中小企業のM&Aでは、専門家によるデューデリジェンスレポートを前提としてM&A価格や条件が決定されます。しかし、専門家レポートは、提供された資料とヒアリング結果を基礎とするものであり、万能な保証ではありません。

実務上、「問題は確認されなかった」との記載は、当該調査範囲内で問題が確認できなかったことを意味するにとどまります。時間的制約の下では追加調査に踏み込めないことも多く、後日問題が発覚したとしても、専門家の責任が直ちに認められるわけではありません。

「売主の情報隠蔽」に対する現実的な限界

デューデリジェンスは売主の情報提供を前提とするため、売主が情報を開示しなかった場合、買主側でそれを完全に見抜くことは困難です。

もっとも、「売主が隠していた」という事情だけで常に買主の救済が図られるわけではありません。開示資料や説明内容、買主側の確認姿勢、調査の深度などを踏まえ、どこまで買主が把握し得たか、あるいは把握すべきであったかが後から検討されます。その結果、情報隠蔽があったとしても、表明保証条項違反による責任追及ができない場面もあります。

提供元

あなたにおすすめ