現金軽視のリスクと生活防衛資金の重要性
このケースで問題だったのは、新NISAそのものではありません。
最大の原因は、預金を“ムダ”と決めつけ、現金の役割を軽視したことです。資産のバランスを考えず、投資資金と生活資金の区別が曖昧なまま、資産形成に突き進んでしまいました。
専門家は口をそろえて、「まず生活費の6ヵ月分程度は、必ず現金で確保すべき」と指摘します。急な病気、家族のトラブル、教育費――想定外の出費は、相場とは無関係にやってくるからです。
新NISAは強力な制度ですが、使い方を間違えれば、家計を不安定にするリスクもあります。
増やすことばかりに目を向けるのではなく、「いつでも使えるお金があるか」を確認すること。それが、資産形成で後悔しないための第一歩と言えるでしょう。
斎藤 和孝
株式会社ベリーライフコンサルタント
ファイナンシャル・プランナー(CFP®/1級ファイナンシャル・プランニング技能士)
