カンボジアから“凶悪犯罪予備軍”が日本になだれ込む…「特殊詐欺の受け子にしているケースはすでにある」証言も

カンボジアから“凶悪犯罪予備軍”が日本になだれ込む…「特殊詐欺の受け子にしているケースはすでにある」証言も

◆監視、拷問役を担ってきた末端構成員があぶれている

日本人に忍び寄る[5つの危機]
’23年1月には東京・狛江市で死者を出すなどフィリピンの刑務所から闇バイトを操り強盗を指揮したルフィこと今村麿人被告
事実、短期滞在外国人による「ヒットアンドアウェー型」とも呼ぶべき犯罪が目立ち始めている。昨年1月から10月にかけて特殊詐欺などに関与したとして逮捕された外国人は59人に上り、前年同期の3倍に。今後さらに増えるなら、日本の治安を脅かしかねないレベルの危機だ。前出の小市氏が言う。

「特殊詐欺グループの幹部連中は自分たちのことを経済マフィア、知能犯だと自任しており、暴力沙汰に積極的ではありません。だが、カンボジアの詐欺拠点で人集めや拷問役を担っていた末端の構成員はその限りではない。彼らがカンボジア国内で宙ぶらりんとなっているなら、確かに危険な犯罪の担い手をリクルートするのに最適な場所になるかもしれませんね」

◆警察当局も手をこまねいているわけではない

むろん、警察当局も手をこまねいているわけではない。徳島県警捜査一課で長年、凶悪犯罪と対峙してきたリーゼント刑事こと秋山博康氏はこう語る。

「昨年、特殊詐欺の被害額は1000億円を超え、過去最高を記録。警察を騙る手口も横行し、メンツをつぶされた警察庁の怒りは頂点に達しています。訪日外国人による“ヒットアンドアウェー型”の犯行が増えていることも当然把握しており、ICPO(国際刑事警察機構)やアジア各国の警察当局との連携に力を入れ、特殊詐欺撲滅に本腰を入れている。

先日、二次団体としては異例の特別対策本部を立ち上げた住吉会の幸平一家など日本側の“大元”を摘発しようと集中的に動いています。それだけ脅威が根深いということです」

国境を越え、法制度の隙間を縫って変幻自在に姿を変える犯罪者たち。カンボジアの園区で醸成された犯罪ノウハウと人材は、いまや日本という新たな宿主を見つけ、増殖を始めている。街ですれ違った訪日観光客が、冷酷なミッションを帯びた“使い捨ての兵隊”かもしれない――。そんなディストピアが、現実のものになろうとしている。

日本人に忍び寄る[5つの危機]
【ジャーナリスト 泰 梨沙子氏】
共同通信系メディアを経て’21年に独立。タイ、ミャンマー、カンボジア、ラオスなど東南アジアの政治・経済、人道問題について執筆

【カンボジア日本人会会長 小市琢磨氏】
カンボジアで日本人会会長を務め、現地の事情に精通。noteで「カンボジア太郎の備忘録」を執筆するなど、さまざまな情報を発信

【元徳島県警刑事 秋山博康氏】
元徳島県警捜査一課警部、通称は「リーゼント刑事」。31年間の刑事人生を経て現在は犯罪コメンテーターとして活躍中
日本人に忍び寄る[5つの危機]
元徳島県警刑事の秋山博康氏
※週刊SPA! 2月17日号より

取材・文/週刊SPA!編集部

―[日本人に忍び寄る[5つの危機]]―

配信元: 日刊SPA!

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