
来る3月、品川インターシティに駅直結としては日本最大のブルワリーレストラン「YONA YONA TOKYO BREWERY」がオープンする。ここでは、工事真っただ中の現場にお邪魔し、醸造担当の田上峻さん(ニックネーム:がみた)と倉田祐輔さん(ニックネーム:クラッチ)のお二方に、タンクやパイピング、そして付帯機器など、気鋭のブルワーならではの、こだわりがたっぷり詰め込まれた醸造設備についてお話を伺った。
撮影:齋藤明 取材:編集部
随所にヤッホーブルーイングのノウハウが投入された醸造設備
通用口の扉を開き中に入ると、その広さに驚いた。まだ調度品の類がなく、がらんとしていることもあろうが、200人を収容するレストランとは、これほどまでの広さなのか──。そして、その広大な空間の奥で、ブルワーの作業が始まるのを待つタンクたちが、工事用の照明を受けて鈍く光っていた。ここは、レストランではあるけれど“ビールを造る現場が主役”であるという思いを強くした。
「こうした商業施設の中に醸造所を造るのは、ぼくたちとしても初めてのことなので、いろいろと工夫も必要でした」とがみたさん。

5バレル(約586リットル)の仕込み釜(ブルーハウス)。ここでの注目は、加熱時に発生する蒸気(熱)を回収するベーパーコンデンサー式の熱回収器と煮沸後の麦汁を狙ったホップ投入温度に素早く下げるためのワールプールクーラーだ。前者は蒸気に含まれる麦芽の香りがレストラン内に漏らさないことと環境負荷の低減のため、後者はホップのアロマをよりクリアに抽出するためだ
環境負荷も考慮した熱回収装置
そのひとつが、ベーパーコンデンサー式の熱回収装置の設置だ。
ビールの仕込み時、麦汁を煮沸すると強い香りを伴う蒸気が発生する。ブルワリー見学をしたことのある人であれば、そこはかと漂うあの香りこそ「ブルワリーにやって来た!」と実感しテンションが上がるのだが「よなよな東京ブルワリー」があるのは品川インターシティのB1階。レストランの中であるため、香りがこもると食事の妨げになりかねない。
「煮沸時に発生した蒸気をこの装置で回収することで、客席側に香りが出ないよう配慮しました。熱自体は仕込みや洗浄に使うお湯として再利用します」(がみたさん)
レストランに香りを出さないためのこの設備が、同時にエネルギー効率の向上にもつながっているわけだ。


