◆誰かの人生に彩りを添えていきたい
――これからの展望などを教えてください。田原舞:多くの深海魚ファンの人たちに届く商品を生み出して、「素敵だな」と感じてもらえたら嬉しいと思っています。また、一度SNSアカウントで病気について告白したことがあるのですが、その際にも当事者の方や関係者の方からさまざまな温かいコメントをいただきました。翻って、現在もなお、昔の私と同様にいまも絶望を感じている人たちもいると思います。私にできることがあれば、連絡をいただければ可能なかぎり力になりたいと思っています。私が深海魚という“推し”に救われたように、今度はどなたかの力になれたらと考えています。
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声にならない思いを封じ込める日々が続き、田原さんは少しずつ自分を閉ざした。そんな海底からすくい上げてくれたのは、幼いころから一途に思い続けた深海魚だった。”理屈抜きにただひたすら好き”――そんな情熱に突き動かされて立ち上げたブランドも、今年で6年目。今も彷徨う誰かの力になれますように。単に商品を売るだけに留まらず、人生に彩りを添えるプラスアルファを、田原さんは提供し続ける。
<取材・文/黒島暁生>
【黒島暁生】
ライター、エッセイスト。可視化されにくいマイノリティに寄り添い、活字化することをライフワークとする。『潮』『サンデー毎日』『週刊金曜日』などでも執筆中。Twitter:@kuroshimaaki

