日本で高額の宝くじといえば「サマージャンボ」や「年末ジャンボ」をまず思い浮かべる人も多いでしょう。アメリカでも宝くじは根強い人気があります。街角のデリやガソリンスタンドで1枚1ドル(約150円)から気軽に購入できることもあり、より身近な存在です。さらに近年では「数千億円規模」にのぼる高額当選も時折ニュースを騒がせています。今月はそんなスケールの大きなアメリカの宝くじ事情を深掘りします。
大量購入でも容易ではない高額当選
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近年はロト系なども人気ですが、日本で高額当選の宝くじといえば、1等が5億円の「サマージャンボ」や7億円の「年末ジャンボ」がまず思いつくのではないでしょうか。その時期になると関連の報道が増え、売り場に人々が列を成す光景がメディアに映し出されます。
つい先日も興味深い話題が日本でニュースになっていました。あるユーチューバーの呼びかけで、年末ジャンボを8039人で共同購入したそうです。合計3600万円を投じ、11万9975枚を購入。結果は1~4等の当たりはなく、10万円が2本、1万円が340本、3000円が1123本、300円が1万2036本当たり、回収できたのは1057万9800円。つまり約2500万円以上のマイナスとなったということでした。
昔日より人々の宝くじ高額当選への夢は尽きないですが、現実はなかなか思うようにはいかず、例え12万枚近くのくじを購入したとしても、億単位の当選に繋がることはそうそうないことを思い知らされるニュースです。
アメリカでより身近な存在の宝くじ
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アメリカでも宝くじ(ロッタリー)の話題はホットトピックです。数億~数十億ドル規模の高額当選のニュースを時折耳にします。
さまざまな宝くじがありますが、市民により身近な存在といえば高額ジャックポット系のPowerball(パワーボール)やMega Millions(メガ・ミリオンズ)、またニューヨークであればNew York Lottery(ニューヨークロッタリー)などが挙げられます。ニューヨーク市内では街角のデリやスーパー、ガソリンスタンドなどで1枚1ドル(約150円)~5ドル(約780円)程度で購入できるのも人気の秘密です。
高額当選のニュースも時々聞こえてきます。例えば、5個の白い円(ボール)と1個の赤い円(パワーボール)の数字すべてを一致させるパワーボールは、2025年のクリスマスイブの抽選で、アーカンソー州の購入者が6つの数字を全部的中させ、約18億ドル(約2800億円)相当が当選しました。これはパワーボールおよび米宝くじ史上2番目に高額だと、米メディアは伝えています。
この当選者はより高額を受け取ることができる分割払いではなく、8億3490万ドル(約1300億円=税引き前)を一括で受け取る選択をしたそうです。
アメリカでは州ごとに制度が異なるものの、宝くじの収益(売上から賞金や運営経費を差し引いた分)や、当選者が州に納める税金の一部が、公立校の教育支援や公共事業に充てられる仕組みがあります。そのため宝くじの話題は、単なる娯楽や願掛けにとどまらず、その州の税収や教育財源に寄与するものとしても注目を集めます。
ちなみに、パワーボール史上最大の当選額は2022年11月、カリフォルニア州のエドウィン・カストロさんが獲得した20億4000万ドル(当時の為替相場で約3000億円)です。金額の規模は桁外れで、世界でも類を見ない大当たりとして大きく報じられました。まさにアメリカンドリームを象徴する話題ですね。
ほかにも2025年9月、その時点で史上2番目の高額当選となった17億8700万ドル(約2800億円)が、ミズーリ州とテキサス州で販売された2枚のチケットで当選となり、2人の購入者が分割することになりました。
これらのニュースはほんの一例です。アメリカの近年の傾向として、宝くじの当選金額が10億ドル(約1600億円)超えも決して珍しいことではなくなっています。「10億ドル超えの当選はここ5年で12回も発生した」とCNNは伝えています。
また、宝くじ関連の話題はイギリスからも伝わってきます。ウェールズ在住の40代の夫婦が、2018年に続き2025年に2度目の100万ドル(1.5億円)のジャックポットを当てたと英BBCが報じました。7年で2回当選の確率は「24兆分の1」だといいます。
この夫妻や前述のカストロさんもそうですが、米英メディアが高額当選者の氏名を公表したり、本人の写真や当選金の用途を伝えるのも、決して珍しいことではありません。
例えばカストロさんは、当選から3ヵ月後に一括払いで受け取った当選金で、4700万ドル(約72億円)の住宅など3軒の大豪邸や5台以上のヴィンテージカーを購入したことが、メディアで伝えられています。ほかにも女性といるところをパパラッチに撮影されたり、まるで芸能人並みの扱いを受けています。
このように、高額当選後はトラブルに見舞われることがあるのも気になります。カストロさんは24時間体制の警備チームを雇っているそうですが、それでも裁判沙汰は避けられず、当選した宝くじが盗まれたものだとして男性から訴訟を起こされました。これらの事例は確認できるトラブルのほんの一部でしょう。
高額当選者はそのほかにも、周囲から金銭を要求されたり、詐欺やストーカー、強盗、さらには誘拐の標的になりやすいことは、容易に想像がつきます。
よく知られる話では、故アンドリュー・“ジャック”・ウィテイカー・ジュニアさんが生前の2002年、1億1340万ドル(税引後、約170億円)の一括当選を果たし一躍有名人になりました。しかし自身や家族はスキャンダルの対象となり、訴訟や強盗、火災などさまざまなトラブルで苦しんだことが伝えられています(2020年に72歳で死亡。死因は不明)。