アメリカ宝くじの最新事情。高額当選者を公表する理由と日本との違い

公表をめぐる賛否:透明性 vs プライバシー

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アメリカでは、なぜ高額当選者の氏名や居住地などが、宝くじ運営団体やメディアによってたびたび公表されるのでしょうか。

その理由として、宝くじの長い歴史の中で「人々に宝くじを信頼してもらうため」と、米AP(2025年9月5日付)は伝えます。

アメリカにおける宝くじの歴史は「1700年代に遡り、初期の頃から政府が資金調達の手段として宝くじを利用してきた」(AP)。こうした背景から、ほとんどの州では宝くじの当選者情報を「公的記録」として公開することを義務付けてきました。宝くじが広く支持されてきた理由を、作家のジョナサン・D・コーエン氏は「税金を払うことなく政府のサービスを受けたいという、アメリカ人特有の欲求」があると指摘しています。

また初期の頃はラッフル型の宝くじで、当選者が観客の前で発表され涙を流して喜ぶ感動のシーンが“見せ場”となり、宝くじ人気を後押ししたのでしょう。

当選者の情報を公開することは「当選者が実際に存在する」「宝くじは本当に当たる」というアピールになり、運営サイドの不正防止に繋がるという考えに基づくものと見られます。こうした公開は運営の「透明性」を担保する手段とされ、アメリカでは長年にわたり高額当選者を公表する慣行が続いてきたのです。

一方で、高額当選者へのハラスメントや犯罪リスクが問題視されるようになり、近年では州ごとに当選者の匿名受理を認める動きも広がっています。一定額以上の当選者に限って匿名が認められている州もあります(例:ミネソタ州では1万ドル以上、バージニア州では1000万ドル以上)。

この点については意見が分かれるところで、前述のAPは「宝くじ責任者の甥(親族)がすべてのジャックポットを獲得し、それを匿名で請求し、誰にも分からないような状況は望ましくない」とする専門家の意見を紹介しています。当選者の公表をめぐる議論は、アメリカにおいてもなお賛否の分かれるテーマなのです。

配信元: mymo

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