「三食昼寝付き」と揶揄していた専業主婦妻が急逝。残された74歳夫「お茶も出せない」「部屋はゴミだらけ」…貯蓄6,000万円、“稼げる男”の成れの果て【CFPが解説】

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「生活力」を身に付けるための3つのステップ

では、「生活力」を身に付けるには、何から始めればいいのでしょうか。現役世代も、シニア世代も、今から取り組める3つのステップを紹介します。

① 家事を分担する

料理、洗濯、掃除を部分的にでも担当してみる。週1回からでもいいので、「やったことがある」という経験がいざという時の大きな助けになります。特に料理は、「最低限の自炊」ができるだけで健康面と生活満足度が大きく変わります。

② 家計の見える化

銀行口座、保険、固定費などの一覧を1枚の紙やデータにまとめる。夫婦のどちらが見てもわかる状態を作っておくことが大切です。近年ではネット銀行や証券口座、クレジットカードなど、マイページで管理をすることが増えていることから、IDとパスワードの保管も必要です。

③1人暮らしのシミュレーション

もし1人になったら、どんな生活費がかかり、どんな暮らしになるのか。具体的に想像してみることで、備えるべきことが見えてきます。ゴミ出しの曜日、家電の使い方、緊急連絡先など、いざという時に迷わないために、個々人が把握しておくことが大切です。

生活を回せる力も、大事な“老後資産”のひとつ

現在の安田さんは、宅配弁当と総菜に頼りながら、何とか一人暮らしを続けています。洗濯や掃除も、少しずつ覚えました。自分で家事をするようになり、初めて妻が自分に与えてくれていたものの大きさに気がつきました。

「こんなに大変なことを、毎日当たり前のようにやってくれていたんだな……あんな言い方をして悪かった」

そう言って、安田さんは目を伏せました。

「稼ぐ力」があることは素晴らしいことですが、収入だけでは暮らしを維持できません。老後に必要なのは、貯蓄額や年金額だけではありません。1人になっても、生活を回せる力も、大事な“老後資産”のひとつです。

今、家族やパートナーがいる方も、「もし1人になったら?」と想像してみてください。もし不安なことがあれば、それは備え始めるいい機会です。後悔しない老後への第一歩になるでしょう。

伊藤 寛子
ファイナンシャル・プランナー(CFP®)

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