
不動産の契約において、営業マンの「私に任せてください」という言葉は、トラブルが発生したときにはなんの効力も持ちません。数年後に後悔しないためには、口約束に頼るのではなく、書面の内容をいかに実態に合わせられるかが重要です。本記事では、松田博行氏の著書『不動産・相続・終活のホントのところ府中の不動産会社の社長が教える後悔しないアドバイス』(叢文社)から一部を抜粋・編集し、「言った言わない」問題を回避するための契約書の整え方について解説します。
不動産契約時の営業トークにご用心
“不動産の契約書”とっても大事なものであることは誰でもわかると思います。不動産の契約書は、権利と義務の履行について記載しているものですから、いざ意見の齟齬が生じた時の根拠となるものです。
契約を履行するとき、契約内容に齟齬が生じた時どうするのか? 営業マンの説明を聞いて納得すれば、契約書の内容が実態とずれていても良いのか?
本来であれば、契約書の内容を実態に合わせて、後でトラブルがない様に修正しておくことが重要です。契約(約束)は、契約書に書いてある内容で進んでいきます。言った言わないは後でトラブルになるので、あいまいなことは危険です。
契約書は、両者の合意を書面という証拠として残すものなので、当時者の合意さえあれば、後日、契約内容は簡単に変更できるということでもあります。
ですから、まずは誠実に話し合いをする。これが始まりになります。
「大丈夫です。私がサポートします!私はあなたの味方です!」営業マンの真意
さてさて契約締結の場面になりました。重要事項説明書の説明を聞いた後、賃貸契約の署名押印の場面となります。賃貸契約書を読み進めていくと「賃借人は退去時、物件をスケルトンにして引渡す」とあります。
借主様は仲介会社さんに、最初から残置物がいっぱいあるんだから、スケルトン渡しはないでしょ? スケルトン渡しは納得できないからこの文面は変更して欲しいと依頼しました。すると、仲介業者さんはこう答えます。
「この文面は雛形なので変えられません。賃貸契約を解除するときには私が賃貸人に説明し、賃借人がスケルトン渡しにしなくても良いようにします。私は借主の味方です!!!」
営業マンは力強く言ってくれました。
私の心:うそ~~~~! できるわけないでしょ~~~~!
私は相談者(借主)にお話ししました。営業マンがあなたの味方だったら、この文面は契約締結の場面で変更するのではないでしょうか。
それができないのに、「スケルトン渡ししなくても良いように交渉する」なんて、軽々しく言っていいのかなと思います。ようするに、営業マンは、その場で契約(報酬)が欲しかった。または無知だった。それが、この手続きを履行した最大の理由だと思わざるを得ません。
