
資産形成の強力な味方であるNISAとiDeCoですが、万人に共通する「唯一の正解」はありません。本記事では、ファイナンシャルプランナーの山中伸枝氏が監修を務めた『いちからわかる!新NISA&iDeCo 2026年最新版』(インプレス)より、「パート主婦のiDeCo活用」「含み益が出たNISAの売り時」「50歳からのiDeCo加入」といった多くの人が直面するこれらの迷いに対し、制度の仕組みとライフプランの両面から、同氏が助言します。
パートの私でもiDeCoをする意味はありますか?(38歳・パート・年収110万円・既婚)
山中先生の答え:節税メリットも大切ですが、自分年金を増やすことはもっと大切
掛金の所得控除以外のメリットにも目を向けよう
税制改正によって所得税の基礎控除と給与所得控除が拡大し、2025年分の所得税は年収160万円までかからなくなりました。住民税に関しては計算が異なり、年収110万円まではかかりません。働く人にとって納める税金が低くなる改正がなされたわけです。
一方で、収入が多くない人にとっては、iDeCoの掛金積立時の所得控除のメリットが減ってしまう改正でもあります。図表で比較している通り、例えば年収110万円ではそもそも所得税や住民税が発生しないので所得控除による節税効果はゼロです。一方、年収200万円であれば、月1万円の積立で年間1万6110円、月2万円の積立で2万8100円の節税効果があります。
ただし、収入に関わらず「運用益非課税」と「受取時の所得控除」のメリットは健在です。パートで働いている人が「iDeCoに加入しておいてよかった」と実感できるのは30年後かもしれませんが、将来の自分のために、長いスパンでiDeCo加入や今後の働き方を考えるべきでしょう。
[図表]掛金の所得控除による節税効果 出典:『いちからわかる!新NISA&iDeCo 2026年最新版』(インプレス)
※1 住んでいる自治体によっては定額の住民税(均等割)がかかる場合がある※2 上記は社会保険料14.39%。復興特別所得税は加味せず、住民税は10%で試算
※3 2025年11月時点の情報。節税額は2025年の税制で試算
《ひとくちアドバイス》社会保険に加入する条件が拡大中
法改正により、パートでも社会保険が適用となる条件が拡大しています。給与から社会保険料が天引きされ、手取りが減るデメリットがありますが、将来老齢厚生年金を受け取るメリットは、計り知れません。働き方を見直す時代なのです。
運用益が出ているので売却してもいいですよね?(43歳・会社員・年収550万円・既婚)
山中先生の答え:「増えたから売る」のではなく、「必要な時期が来たら売る」のが正解です
値動きに影響されて売買してはいけない
運用を続けていくと、含み益を抱えることもあるでしょう。そうなると売却して利益を確定させてしまいたいと思うかもしれませんが、「利益が出たから売却する」という考え方は間違い。基本的に、NISAの資金を売却するのは、「必要な時期が来たら」です。必要な分だけ解約して、残りで運用を続ければ、解約時に多少の損失があったとしてもリカバーできる可能性があります。
一方で、売り時の判断もできるようにはなっておきたいところ。例えば、使う時期の2~3年前に含み益が膨らんでいるなら、解約して預金など安全商品にしておくのは、1つの戦略でしょう。儲かったからとただ売ってしまうのはダメです。同様に収益を気にしすぎないことも大切です。
