オーリキュラの歴史

オーリキュラは特定の特徴を持つ園芸品種群のことで、園芸の世界ではAuriculaとしてまとめられています。しかし、プリムラ・オーリキュラは、本来アルプスに自生する高山植物のことを指します。ここでは、オーリキュラの歴史を簡単に見てみましょう。

原種であるPrimula auricula(プリムラ・オーリキュラ)とP. hirsuta(プリムラ・ヒルスタ)が自然交雑して生まれたのがP. pubescens(プリムラ・プベスケンス)で、これを種まきして育てると変異株が出やすい特性があります。このことが園芸愛好家の目に留まって人気を博したことから、16世紀頃のイギリスで育種が進みました。どれだけ新しい品種が生まれようともプリムラ・プベスケンスであることに変わりはないのですが、一定の決まりごとにかなった交配種だけがオーリキュラに分類され、原種とは区別したオーリキュラ群が誕生しました。言い方を変えれば、愛好家の審美眼にかなった交配種だけがオーリキュラと名乗れる特別枠、というところです。16世紀に始まったオーリキュラ群の愛好は現在にも受け継がれ、多くのコレクターがいます。

上の写真はイギリスの庭に見られる、オーリキュラを観賞するオーリキュラ・シアター。「劇場」という名のとおり、花をより引き立たせる背景となるよう暗く塗られたものが多く、鏡やカーテンがつくことも。強い日差しや過湿を避け、風雨にあたって花の重要な要素である白粉が流れ落ちたりしないように保護する目的もあります。

オーリキュラ「Auricula」と認められる主な約束ごと

前項で一定の条件にかなった交配種だけがオーリキュラと認められると説明しましたが、その条件には以下のようなものがあります。
- 花が円形に近く、花弁が平らでウェーブがかからない
- 花弁に入る切れ込みが少ない
- 中心円に歪みがない
- 雌しべが小さく、雄しべの下に隠れる
- その他、細かな決まりごと
これらに当てはまる個体のみが、オーリキュラと認定されます。
オーリキュラが日本に来たのは?

オーリキュラが日本にもたらされたのは、江戸時代頃です。イギリスでは限られた個体しか選抜されないことが伝わったのか高貴のシンボルとしてもてはやされ、多くの庭園で育てられたほか、茶会などの催しで展示されることもあったそうです。現在、日本の園芸店やホームセンターではあまり販売されていませんが、インターネットでの通信販売ではさまざまな品種が取り扱われています。
オーリキュラの名前の由来や花言葉

オーリキュラという名前は、原種であるプリムラ・オーリキュラ(Primula auricula)に由来します。属名のPrimulaはラテン語で「最初の」を意味するprimusに由来し、早春、ほかの花に先駆けて咲くことから。またauriculaはラテン語で「小さな耳」「耳たぶ」を意味し、肉厚で丸みのある葉を小さなクマの耳に見立てたとされ、英名でも「bear’s ears」と呼ばれることがあります。
プリムラ・オーリキュラの花言葉は「信頼」「永続的な愛」です。
