
日本では季節の変化を敏感に感じ取り、年中行事や習わしに添った植物を暮らしに取り入れてきました。
「二十四節気の花あしらい」では難しいルールにとらわれず、気軽に季節を感じられる花を楽しむテクニックを、第一園芸のトップデザイナー・新井光史がご紹介いたします。
2026年2月19日から二十四節気は雨水に
しんと冷えていた大地に、ようやくやわらかな気配が戻りはじめるころが、「雨水(うすい)」の時季です。
空からの雪が雨へと変わり、雪解けがはじまる様子をあらわしています。
そうした雨水の時季にぴったりな花が、春を代表する花木のひとつである「雪柳」です。
名前には「柳」が見えますが、シモツケという落葉低木の仲間で、柳のようなしなやかな枝と、細かな花が雪に見えることからこの名が付きました。
今回は、この雪柳を使って、ひと足早く春を感じる花あしらいをご紹介します。

ダイナミックな姿を活かして
春風の姿を映したような、雪柳ならではののびやかな動きを活かした花あしらいです。
枝が自然に上向く位置を見つけたら、あえて枝を少し寝かせるようにして花器へ挿してみましょう。ゆるやかな弧がうまれ、雪柳の軽やかさがいっそう引き立ちます。
枝の印象を主役にしたいので、花器は小ぶりで重さのあるものがおすすめです。
重みがあることで、枝を横向きに挿しても安定し、動きを大胆に見せることができます。
この写真では、アクセントとして小石を添えました。
石や貝殻などの自然素材をさりげなく添えると、シンプルな花あしらいの中に小さな“景色”が生まれ、より季節の空気が感じられます。

雪柳を生けるコツ
雪柳の枝はとてもしなやかで、枝を〈ためる〉ことができます。
ためる(矯める)とは、写真のように、枝を曲げたい方向へゆっくりと力を加え、自然な曲線をつくる技法のことです。
コツは、焦らず、少しずつ力を入れていくこと。
一度に強い力を加えると枝が折れてしまうため、枝の様子を確かめながら、丁寧に形を整えていきましょう。
しなやかな枝ぶりを生かすことで、雪柳ならではの流れがうまれ、春風のような軽やかな表情をつくることができます。

