物価高対策の要である消費税減税ですが、食料品に限定することで飲食店への影響は大きいと見られています。特に「ちょい飲み」需要に特化した中華料理チェーンは、スーパーなどの総菜と代替性が高く、苦戦を強いられる可能性があります。

◆酒税改正で加速する「第3のビール」離れ
飲食店への逆風はすでに始まっていました。消費税減税が実現すれば、三つの打撃を受けることになります。一つ目はビール類の酒税改正です。これまで、「ビール」「発泡酒」「第3のビール」の税額は異なっていました。しかし、2026年10月にこれが統一されます。ビールは改正前から23円の減税となる一方、単価が安かった発泡酒や第3のビールは増税され、価格差は縮小しました。発泡酒の「金麦」が2026年からビールに格上げされるなど、各メーカーは酒税改正を機にビールの売り込みに力を入れています。
これまで、家計のために第3のビールを選んでいたアルコール愛好者は、ビールに手が届きやすくなったのです。特に男性にはビール好きが多く、酒税改正で「宅飲み」の満足度が上がることを意味しています。
◆ドラッグストアの総菜強化も脅威に?
二つ目がインフレです。飲食店は食材費や人件費、水道光熱費の高騰で価格転嫁をせざるを得ず、単価の引き上げに動きました。それが、宅飲みに拍車をかける結果になっています。店頭調査などを行うmitorizの「お酒に関するアンケート調査」によれば、普段お酒を飲む「外食派」が、「昨年より外食での飲酒が減った」と回答した割合は28.1%でした。一方、「自宅派」が「昨年より自宅での飲酒が減った」割合は18.9%。飲酒する場所を飲食店から自宅へと移す傾向が強いことを示しています。
同じ調査で購入場所の金額構成比の推移を見ると、コンビニエンスストアでの購入比率が3.6%減少した一方、ドラッグストアは3.7%、スーパーは0.2%それぞれ増加しました。消費者の節約志向が高まっているのは明らかです。飲食店との価格差が大きくなるほど、宅飲み需要は強まると予想されます。
そうした中で三つ目となる食料品の消費税ゼロが浮上しているわけですが、足元で飲食店の最大のライバルとなっているのが総菜です。日本総菜協会によると、2024年の一般総菜の市場規模はおよそ3.9兆円で、前年比1.7%の増加でした。現在は集客力強化のためにドラッグストアも総菜を強化しています。中華料理チェーンが提供する唐揚げや餃子、エビチリなどの料理は総菜との代替性が高く、激しく顧客を取り合う未来が見えてきます。

