◆配膳ロボットなどの導入で省人化を進めた日高屋だが…
ちょい飲みで好業績をキープしてきたのが「日高屋」です。運営するハイデイ日高は、2025年3〜11月期で12.7%の増収、30.7%の営業増益を記録しました。進捗率は良好で、業績の上振れさえ予感させる好調ぶりです。集客のカギを握っているのがアルコール類です。日高屋は2024年3月に価格改定を行いましたが、気温の高さを利用した「生ビール祭」などのキャンペーンを実施し、客数を伸ばしました。
日高屋は低価格を維持しつつ、営業利益率は10%程度を確保しています。セントラルキッチンでのコスト削減に加え、セルフレジや配膳ロボットの導入といった省人化を進めてきました。一方でそれは、店で食べる理由が失われかねないことも示唆しています。スーパーで手に入る総菜のクオリティは向上しており、年齢層が上がるほど機械的な接客スタイルには忌避感を抱く傾向があるからです。
DFA Roboticsの「配膳ロボットに関する消費者の意識調査」では、シニア世代の44.6%が「人からサービスを受けたい」と回答しており、全体の平均を大きく上回りました。消費税ゼロが導入されると、収入の限られたシニア世代が店から離反する可能性があります。
◆王将は客数が減少するも、客単価は上昇
「餃子の王将」を運営する王将フードサービスも、業績は堅調ながら客数は鈍化の兆しが見えてきました。2025年の既存店客数は前年同期比0.3%の減少となり、客単価の上昇で売上増を実現している状態です。王将は2022年ごろから段階的に値上げを実施してきました。価格改定に伴い、客足に影響が出てきたのでしょう。特にテイクアウトとデリバリーの鈍化が顕著です。インフレで節約志向が高まると、飲食店のデリバリーなどは料金の高さが目立つようになります。
テイクアウトは軽減税率が適用されるため、食料品消費税ゼロの範囲内に含まれる可能性もあります。それにより需要が回復する余地はあるものの、店内需要が宅飲みに流れる影響をカバーできるかは未知数です。安く済ませたいと感じる顧客が離れる懸念は、依然として拭えません。
<TEXT/不破聡>
【不破聡】
フリーライター。大企業から中小企業まで幅広く経営支援を行った経験を活かし、経済や金融に関連する記事を執筆中。得意領域は外食、ホテル、映画・ゲームなどエンターテインメント業界

