山梨72%でトップ、花粉症発症率ランキング ウェザーニューズ調査

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 花粉症は今や「国民病」といっても過言ではない状況が浮き彫りになった。ウェザーニューズが実施した「花粉症調査2025」によると、スマートフォンアプリの利用者1万1779人のうち58%が「花粉症である」と回答した。2人に1人以上が花粉症という結果であり、広範な層に症状が広がっている実態が数字で示された。花粉症は季節性の疾患でありながら、日常生活や仕事、学業にも影響を及ぼすことが知られている。今回の調査は、花粉症が多くの人にとって身近な健康課題となっていることを改めて示す内容となった。

◆発症率トップは山梨72% 地域差も鮮明に
 都道府県別で最も発症率が高かったのは山梨県で72%に達した。回答者の7割以上が花粉症と答えたことになり、全国でも突出している。次いで三重県69%、静岡県68%と続き、上位には東海・関東甲信エリアの県が並んだ。全国平均の58%を上回る県は本州の太平洋側に集中する傾向がみられ、とりわけ関東甲信や東海で60%を超える県が多くなった。東京都は63%で7位に入り、大都市圏でも高い発症率が確認された。一方で、北海道などでは比較的低い数値となっており、地域差が明確に表れる結果となった。

 背景として考えられるのが花粉の飛散量である。ウェザーニューズが全国に設置している花粉観測機「ポールンロボ」による2017年から2024年までの平均飛散量の解析では、関東甲信や東海などで飛散量が多い傾向が示されている。東北北部では飛散量が多い一方で発症率が30~40%台にとどまる地域もあり、発症率と飛散量が完全に一致しているとはいえない。ただ、上位にランクインしている山梨県や静岡県、関東エリアでは飛散量も多い傾向がみられ、一定の関連がうかがえる。

◆半数が20代までに発症 50代以降も12%
 花粉症を発症した年齢について尋ねたところ、「20代まで」と回答した人が48%で最も多かった。10歳未満や10代での発症も含まれており、花粉症の人の約半数が若年期に症状を経験していることになる。子供のころから発症し、その後も毎年の花粉シーズンに症状と向き合っている人が少なくない実態が浮かび上がった。早い段階で発症することで、学業や進学、就職など人生の節目と重なるケースも想定され、長期的な影響を受けている可能性もある。

 一方で、「30~50代」での発症も一定数みられ、「50代以降」と回答した人も12%にのぼった。これまで花粉症ではなかった人が中高年になってから突然発症するケースも少なくないことが分かる。長年の花粉曝露の積み重ねが影響している可能性も指摘されており、年齢に関係なく発症する可能性がある。現時点で症状がない人も将来的に発症する可能性は否定できず、油断はできないことを示す結果といえる。

◆3割が飛散開始前から対策 徳島が事前対策トップ
 花粉症対策を始める時期については、「飛散開始前」が30%、「症状が出てから」が28%だった。「アレルゲン免疫療法で年単位」が2%、「何もしない・花粉症ではない」が40%という結果となった。「飛散開始前」と「アレルゲン免疫療法で年単位」を合わせた事前対策率は全国平均で32%となる。花粉が本格的に飛び始める前から対策を講じる人が約3割にのぼる一方、症状が出てから対応する人もほぼ同程度いる状況だ。

 都道府県別では、事前対策率が最も高かったのは徳島県で44%だった。静岡県と広島県が39%、埼玉県、山梨県、愛媛県が38%で続いた。関東甲信や西日本の太平洋側で事前対策に積極的な地域が多く、北海道や北陸、山陰など日本海側では比較的低い傾向がみられた。

 男女別では、事前対策を行っている割合は男性29%、女性39%だった。また「花粉症です」と回答した割合は男性56%、女性63%で、女性の方が発症率も対策率も高い結果となった。

◆半数以上が治療せず 免疫療法は4%
 現在治療を行っているかを尋ねたところ、「対症療法をしている」が37%、「アレルゲン免疫療法をしている」が4%だった。「治療していない」が最も多く、花粉症の2人に1人以上が治療を行っていないことが分かった。発症率が58%に達する一方で、医療機関で継続的な治療を受けている人は限定的であることが浮き彫りになった。

 対症療法は抗ヒスタミン薬の内服や鼻噴霧用ステロイド薬などで症状を抑える方法である。比較的短期間で効果が期待できるため、多くの人に利用されているとみられる。一方、アレルゲン免疫療法はアレルゲンを少量体内に取り入れ、アレルギー反応を和らげる治療法で、体質改善が期待されるが、数年単位での継続が必要とされる。

 「治療していない」と回答した人からは、「軽度なのでマスクや目薬などで対処」「年々治ってきたので治療しなくてよくなった」といった声が寄せられた。症状の重さや生活への影響度によって治療の有無に差が出ている実態がうかがえる。

◆対策費用は平均1899円 徳島が最多2710円
 2025年の花粉シーズンにおける対策費用は全国平均で1899円だった。西日本や東日本で花粉が大量飛散した2023年と比較すると391円減少している。ただ、調査は2025年3月2日に実施されており、スギ花粉の飛散が本格化し始めた時期だったため、調査時点ではシーズン終盤にかけて費用が増加する可能性もあるとしていた。

 都道府県別では徳島県が2710円で1位。愛媛県、群馬県、山梨県が続いた。東京都は2115円で10位だった。一方、最も低かったのは北海道の738円で、1位の徳島県との差は1972円にのぼる。事前対策率の高い地域ほど費用も高い傾向がみられ、対策行動と支出の関連がうかがえる。

 花粉症は発症率の高さに加え、発症年齢や対策行動、治療実態、費用負担など地域差を伴う多面的な特徴を持つ。ウェザーニューズが2025年3月に発表した調査は、その実態を具体的な数字で示した。花粉シーズンを前に、あらためて対策や向き合い方を考える材料となりそうだ。

配信元: NewSphere

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