「今なら完全アウト」平成の美容師業界で、カット技術よりも新人に必要だったこと

「今なら完全アウト」平成の美容師業界で、カット技術よりも新人に必要だったこと

こんにちは! 髪質改善専門家・美容師のKUMAこと熊坂裕一郎です。全国から髪や頭皮でお悩みの方が訪れる美容院「area(エリア)」を東京都・江東区で3店舗運営しています。

KUMA
髪質改善専門家・美容師のKUMA
YouTube「美容師くまのこだわりTV」では年齢に関係なく誰でも自宅で簡単に、美しい髪になる方法を発信中です。

少し前に『不適切にもほどがある!』(TBS系)というドラマが話題になりました。今では考えられない価値観や働き方に、笑いながらもどこか懐かしさを感じた方も多かったのではないでしょうか。

実はあの“時代のズレ”は、美容師業界にもはっきり存在しています。ぼくが美容師として働きはじめたのは平成9年ですが、平成と令和ではまるで別世界。当時の若手美容師は平成の“洗礼”にあっていたものです。

今日は、平成と令和の美容師業界の違いに迫ってみます。

◆①技術は「見て覚えろ」。説明なんてものはない

ヘアカラーの勉強をする女性の美容師
※写真はイメージです。以下同
美容師免許は持っているとはいえ、専門学校を卒業したばかりで、すぐにお客さんを担当できるわけではありません。カットなんて夢のまた夢。当時の現場には新人を順序立てて教えるという発想そのものが、ほぼ存在していませんでした。

新人の学び方は極めてシンプル。

「技術は見て覚えろ」

以上です。

カットの説明はほぼゼロで、 質問をすれば「見て分からないの?」という調子で返ってきます。目で盗め、背中で感じろ、空気を読め……そして営業後に深夜まで続く練習。もはや美容室というより修行場です。

先輩のパーマ補佐でついたときに、サイズ違いのロッドを出したことで逆鱗に触れ、1週間、口をきいてもらえなかったこともあります。

その結果、身についたのはカット技術ではなく、異常なまでの“察知能力”でした。今振り返ると、まるでエスパー養成所だったのかもしれないと思うほどです。

令和は真逆です。動画で学び、営業中に練習する時代です。

今は新人に対して、手取り足取り教えるのが当たり前で、カットの工程は動画で共有され、何度でも見返せます。分からなければすぐに聞ける環境が整っていて、できるだけ早くデビューさせてあげようという空気があります。練習も営業中に時間を作ってやるのがスタンダードとなっています。


◆②技術より先に学んだのは「人間関係の察知能力」

美容室で男性美容師に怒られる女性美容師
※写真はイメージです
前述のように、平成の美容室で、最初に身につける必要があるのはカット技術ではなく、人間関係の察知能力でした。

誰と誰が仲が悪いか……。
どこに立てば安全か……。
今、話しかけていい空気か……。

美容師でありながら、社会の縮図を体験しているような毎日です。オーナーや先輩の機嫌が悪くなかった日は、それだけで「今日は平和だったな」と思えるほど。

また先輩より先に帰るのは絶対NGです。

やることがなくても掃除をやり直したり、道具を磨き続けたりしながら、ただ時間が過ぎるのを待つ。

有給に関しても、新人が使うのはもってのほかです。「有給」というワードを出すだけで場が凍りつくような雰囲気。今思うと、かなりブラックな業界でした。

しかし令和では「不機嫌=離職リスク」です。

もしこれを今の現場でやっていたら、確実にアウト。パワハラはそのままスタッフの定着率に直結します。令和の若手は「無理」と思った瞬間、普通にお店をやめます。

その結果、立場は逆転しました。

・若手は先に帰る
・遅くまで残るのは先輩
・有休は新人が優先
・常に体調や機嫌への気配り


「不機嫌な先輩」は、もはや後輩の離職リスクになりました。

配信元: 日刊SPA!

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