◆「もう二度と会えないと思ったので…」

「もう二度と会えないと思ったので、告白しました」
公判で被告人は、何度も「会いたくて、会いたくて、興奮しました」と述懐していた。
被告人に腕を掴まれた小嶋さんは、その場で転倒した。興奮を抑えて告白する間もなく、周囲にいた関係者によって取り押さえられてしまった。
◆“雲の上の存在”に手を出してしまった代償
検察側は質問の中で、小嶋さんが被告人の想いを受け入れなかった理由について自身の見解を尋ねた。「当時は会いたくて、一緒にいたくて、非現実なことをしたと思います。民族も生まれた国も社会的地位も違うので、嫌われたと思います。今は好きになったことが間違いだと分かりました」
さらに被告人は法廷で、何度も自身に言い聞かすようにこんな言葉を口にしていた。
「私みたいな小さな人間と付き合ってくれない。彼女はとても優秀な人なので」
昨年6月の公判では、被告人に対して懲役8か月・執行猶予3年(求刑・懲役8か月)の判決が言い渡された。その後、被告人側は判決が不服として東京高裁に控訴したが、昨年12月に控訴には理由がないとして、第一審の判決が維持された。
いつしか「推し」から恋愛感情へと変わり、犯行に及んでしまった被告人。“雲の上の存在”に手を出してしまった代償は大きかった。
文/学生傍聴人
【学生傍聴人】
傍聴歴7年、傍聴総数1000件超。 都内某私立大の大学院に在籍中の現役大学院生。趣味は御神輿を担ぐこと。高校生の頃から裁判傍聴をはじめ、有名事件から万引き事件など幅広く傍聴している。その他、裁判記録の閲覧や行政文書の開示請求も行なっている。

